映画館不要説!? 映画を映画館で公開する意味とは

芸能
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前回前々回とスタジオジブリのアニメ映画について記事を書いてきましたが、今回はそんな考えを根底から壊すような話をしたいと思います。
それは、映画館は既に不要であるという話です。
そもそも私は映画館で映画を観ることが好きではありません。
知らない人が隣りに座っている環境では、物語に集中できないのです。
そして、既に映画館が必要のない時代になっているとも思っています。

昔は映像作品を観る媒体が映画をしかなかったので、映画はとても価値のある存在でした。
それがテレビが普及し家で映像作品を観れるようになり、映画の必要性は半減します。
その後ビデオが発売され、好きなときに好きな映像作品をいつでも観れる時代へと突入します。
とはいえ、ビデオを各家庭に配るほどの本数を作るのは大変なことで、この時点で映画館が不要になった事実はないでしょう。
しかしビデオテープの時代からDVDの時代に入ると、映像ソフトを早く安くさらには高画質で生産できるようになり、映画もDVDで観たほうが良いような時代へと突入していきます。
そしてインターネット技術が発展した現在では、ビデオやDVDといったメディアを使う必要もなくネット上で世界同時的に映像作品に公開することが可能となりました。
映画館にフィルムを準備する必要も、ビデオテープやDVDを買い求める必要も今はないのです。
ネットによる映像配信は、映画を公開する側も観る側も負担が大幅に減り、Win-Winな関係と言えます。
つまり、現在は技術的に映画館なんて全く必要のない時代と言えるのです。

このような説明をしても、映画館は大画面で迫力が違うなどと主張する人が必ずいます。
しかし、今のテレビは40インチを超えるものがほとんどで、音質だって昔より大幅に向上していますしネットに繋げることも普通になってきています。

2018年時点での国際コンシューマ・エレクトロニクス展の予想では、2020年までに薄型テレビの平均サイズが米国で52インチ、中国で54.1インチになるとされている。

映画館で観る500インチや1000インチのスクリーンより、下手をすると家庭で観る50インチのテレビ画面ほうが迫力を感じるかもしれず、大画面という観点からも映画館の優位性はだいぶ薄れてきました。
このように映画を映画館で上映する理由は、製作者的も観客的にもほとんどなくなっているのです。

にもかかわらず、映画館に行って映画を観る人の数は全然減っていません。
むしろ映画産業は右肩上がりに売り上げを伸ばしています。
日本では昨年『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が歴代最高の興行収入を記録し、世界的に見ても映画の収益は増加しています。(2020年以降は新型コロナウイルスの影響で映画の興行収入は減っている)
以下で示す、映画の世界興行収入ランキングを御覧ください。

順位作品興行収入公開年
1位アバター$2,847,246,2032009年
2位アベンジャーズ/エンドゲーム$2,797,501,3282019年
3位タイタニック$2,201,647,2641997年
4位スター・ウォーズ/フォースの覚醒$2,068,455,6612015年
5位アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー$2,048,359,7542018年
6位ジュラシック・ワールド$1,670,516,4442015年
7位ライオン・キング (2019年版)$1,657,870,9862019年
8位アベンジャーズ$1,518,815,5152012年
9位ワイルド・スピード SKY MISSION$1,515,255,6222015年
10位アナと雪の女王2$1,450,026,9332019年

物価上昇の影響はあるものの、映画の公開ランキングは最近の作品が上位をほぼ占めており、少なくとも映画産業が斜陽しているという事実はありません。

映画を映画館で観る理由が減っているのに、なぜ映画館に訪れる人が減らないかというと、それは映画が1つの文化に昇華しているからです。
現在も映画はデートの定番として活用されていますし、家族で映画を観て、その後デパートや併設しているショッピングモールで買い物を楽しむようなこと一般的な休日の楽しみ方かと思います。
このような文化に昇華した映画に対して合理性を問うことはあまり意味がありません。
祭りや宗教儀式に合理性を求めても意味がないことと一緒です。
逆に言うと、映画を映画館で観る合理的な理由はほぼなくなっているとも言えます。

個人的には映画はネットで公開する方向へと動いてほしいと思っているのですが、上記した様々な状況を考えると、まだまだ映画を映画館で観る文化は続きそうで、私が望むような世界は当分訪れそうもありません。(T_T)

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