『2018 FIFAワールドカップ ロシア』グループ予選B組の最終戦、イラン-ポルトガル戦とスペイン-モロッコ戦の同時に開始された2試合は、試合終盤に同時VAR(ビデオ判定)となり、共に点数が決まりグループ予選の通過に大きな影響を与える劇的な展開となりました。
このような好勝負に水を差すようで悪いですが、私はサッカーほど不完全なスポーツはないと思っています。
そう思う理由は主に2つあるので、項目別に説明していきます。
※ちなみに私は、近年サッカーを見ることはほとんどない(全くないに等しい)ですが、子供のころはそれなりに強いサッカーチームでサッカー付けの毎日を過ごしていました。
サッカーの問題点①:ゴール数が少なすぎる
サッカー(2017年のJリーグ)の1試合あたりの平均得点は1チーム1.5点を下回り、スコアレスドローの試合がそれなりの確率で発生します。
実は、私はこのサッカーにおけるスコアレスドローが気になってスポーツ(球技)の点数について数年前に調べたことがあるので、今回はこのときの記憶と経験を活かしサッカーの問題点を探っていきたいと思います。
まず、球技は以下のようにいくつかの種類に分けることができます。
コート型の球技(テニス、バレーボールなど)
フィールド型の球技(サッカー、バスケットボールなど)
バット&ボールの球技(野球、クリケットなど)
ゴルフ型の球技(ゴルフ、ゲートボールなど)
※その他に、ボーリング、カーリング、ドッチボール、ビリヤードなど分類不明な球技がある
この中で、コート型の球技はあらかじめ入れる点数が決まっているので、スコアレスドローのようなことは起こりようがなく、点数の問題について深く考える必要はありません。
ゴルフ型の球技はそもそもゴール数を争うスポーツではないので点数の問題は基本的に起こりません。
しかしフィールド型やバット&ボール型の球技においては、点が多く入るスポーツと点があまり入らないスポーツがあることは皆さんもご存知のことでしょう。
例えば、バスケットボールは1チーム100点程度の点が入り、1回のゴールが2点や3点であることを考慮しても、1試合で両チーム合わせて100回程度の点が入る機会があります。
バスケットボール以外では、ハンドボールが1チーム20点程度、水球が1チーム10点程度と、いずれもサッカーよりだいぶ点が入ります。
バット&ボール型の球技の代表である野球はプロ野球の1チーム平均得点が4点を上回る程度、クリケットに至っては1試合で1チーム200点や300点というスコアになることも普通で、こちらもサッカーより点が入るスポーツとなっています。
このように、サッカーは他の球技と比べて極端に点の入らないスポーツであることがわかります。
では、点が入らないスポーツ(球技)の何が問題なのでしょうか?
それは、1点の重みが大きくなりすぎてしまうことです。
1点の重みが大きすぎると、たまたま1点取ったチームが勝つという展開になりやすく、実力差が出にくいスポーツになりかねないのです。(つまり運の良いチームが勝つ)
サッカー(フットボール)の起源とされる祭りは、元々どちらが先にボールをゴールの場所に運ぶか(つまりどちらが先に1点取るか)を競っていたため、点数があまり入らないのは仕方がない部分もあるのですが、世界中に広がった現在のサッカーにおいてゴール数が少ないという問題について真剣に考えないといけないと思います。
現在、一般的なスポーツでサッカーレベルに点が入らない球技は、ホッケー(アイス、フィールド共)ぐらいだと思われます。
実は冬のスポーツとして人気を誇るアイスホッケーもなかなか点が入らないスポーツとして有名なのです。
しかしアイスホッケーはサッカーと違い審判の介入が少ないという特徴があり、そしてこれがサッカーにおける第2の問題点へと繋がります。
※フィールドホッケーはメジャーとは言えない競技なので言及を避けます。
サッカーの問題点②:審判の介入が多すぎる
サッカーにはファウル、ボールのライン判断(スローイン、ゴールキックなど)、オフサイドなど、審判が介入する場面が多々あることは皆さんもご存知のことでしょう。
フィールド系のスポーツ(球技)なので接触によるファウルが起こるのは仕方ないのですが、1点の重みが大きいサッカーでは審判の判断が勝敗に直結しかねません。
特にPKは点数に直接かかわる問題で(PKの成功率は7割程度)、審判の判断により点数が入るか入らないか決まってしまうに等しくなっています。
またオフサイドの判断は、そもそも人間の視野的にパスを出した瞬間とオフサイドラインを同時に見れないという問題があるにもかかわらず、この判断が点数に直結しやすくなっています。
更にイエローカードやレッドカードの判断も問題です。
そもそも普通のファウルとイエローカードの判断はとても難しいですし、見ている側や選手が審判の判断に対し疑問に感じることも多いのが実情です。
にもかかわらず、通常のファウルと2枚で退場となるイエローカードの差はあまりにも違いがありすぎます。
とにもかくにもサッカーは審判の介入が多すぎ、そしてそれが勝敗を左右しすぎているのです。
当然ですが、スポーツの勝敗は選手のプレーによって左右されるべきで、審判の介入により勝敗が決まるようなスポーツは不完全であると言わざるを得ません。
特にサッカーのような点が入りづらいスポーツ(球技)では、審判の介入はなおのこと減らすべきなのです。
実際問題として、先日行われたW杯の日本-コロンビア戦において、試合序盤にコロンビア選手に与えられたレッドカードがイエローカードだったら、試合結果が違っていたと考えた人は世界中にいることでしょう。
上記の問題点に対する改善策
このようなサッカーの問題点について、私なりに改善策を考えてみました。
まずPKについてですが、蹴る位置を現在の位置からペナルティエリアの外枠まで下げて入る確率を低下させます。
サッカーを見ている人なら1度くらい感じたことがあるでしょうが、ペナルティエリア内とエリア外ではファウルのジャッジが微妙に違っています。
本来のルールではペナルティエリア内もエリア外も同等にファウルをとるべきなのですが、ペナルティエリア内では高確率(約7割)でゴールが決まるPKになるので、審判はジャッジを厳しくしているのです。
つまり、現在のサッカーは審判が本来適用すべきルールを守っていない状況にあると言えます。
次に、オフサイドはコンピューターやAIを使い半自動化のシステムを構築させます。
オフサイドの自動判定は現在の技術では難しいことではありません。
当然全ての試合に適応できるわけではないですが、国際試合などのカメラが入る大きな試合では、このような技術を積極的に採用してもらいたいと思います。
最後に、ファウルやイエローカードの判断はバスケットボールと同じように5ファウル退場方式にします。
ただし、
・特に危険なファウル
・点数に絡むようなファウル
・ペナルティエリア内のファウル
は2ファウル換算(現在のイエローカードに相当)として、これらが複合した場合は3ファウル換算とします。
そしてレッドカード(一発退場)は、プレーに関係のない暴力行為のみに限定します。
こうすることにより通常のファウルとイエローカード(2ファウル換算)の差が縮み、審判のジャッジが試合に影響することを低下させることができます。
また、上記した問題点とは関係ありませんが、フリーキックやボールがラインを割った際は、時間を止めるように変更します。
そうしないと勝っているチームによる遅延行為(フリーキックでボールをすぐに蹴らない、ラインを割ったボールをなかなか手にしないなど)が収まらず、見ている人は気分の悪い無駄な時間を過ごすことになってしまいます。
更に、
・ゴールを大きくしもっと点が入るスポーツにする
・審判の数を増やす
などといった抜本的な改革も必要なのかもしれません。
以上が、私の考えたサッカーの改善策になります。
勝負事はある程度の不条理があったほうが見る人は熱くなるだろうし、現にサッカーは世界中の人々を魅了しています。
逆に言えば、合理主義のアメリカでサッカーが流行らない理由はこの不完全さにあるのかもしれません。
また、実際これだけ点が入らないスポーツなのに運要素があまり出ていない(W杯も大抵は強いチームが勝つ)という事実もあり、大きな問題になっていないのかもしれません。
というわけでW杯に出場する全ての国の選手に対し健闘を祈り、当記事を終わりにしたいと思います。
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