お笑い芸人が高齢化した原因を探る! なぜ40代の芸人が売れ続けるのか?

芸能
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お笑い第三世代と呼ばれる『とんねるず』や『ダウンタウン』は、10代で台頭した後に長年テレビで活躍し『ウッチャンナンチャン』も20代前半には世に知れた存在でした。
具体的にとんねるずが『夕焼けニャンニャン』に出演し始めたのが23歳のときで、ダウンタウンが『4時ですよーだ』に出演し始めたのも同じく23歳のときです。
しかし、近年のお笑い芸人は高齢化が進んでいると言われています。
このことを示す例として、以下に示す2018年上半期のお笑い芸人の出演番組数ランキングをご覧ください。

1位:設楽統(45歳)
2位:近藤春菜(35歳)
3位:博多大吉(47歳)
4位:上田晋也(48歳)
5位:加藤浩次(49歳)
6位:カズレーザー(34歳)
7位:有田哲平(47歳)
7位:若林正恭(40歳)
9位:澤部佑(32歳)
10位:小峠英二(42歳)
10位:斉藤慎二(35歳)
12位:有吉弘行(44歳)
13位:春日俊彰(39歳)
14位:渡部建(46歳)
15位:岡田圭右(49歳)
16位:博多華丸(48歳)
17位:ビビる大木(44歳)
18位:高橋茂雄(42歳)
19位:富澤たけし(44歳)
20位:伊達みきお(44歳)
21位:山里亮太(41歳)
21位:日村勇紀(46歳)

参照データ:2018年上半期、最もテレビに出演したお笑い芸人は……?

以上が2018年上半期に200本以上のテレビ番組に出演したお笑い芸人ですが、ものの見事に30代から40代までのお笑い芸人が占めています。
現在はこのような年代のお笑い芸人が長年のさばっている状況で、時には1980年代や1990年代の懐かしい話題で笑いをとり、若者を置いてけぼりにしているのです。
昔もこういった状況はあったでしょうが、ここまで極端なことはありませんでした。
しかも上記のランキングを見ると30代前半の芸人はほとんどおらず、現在は30代後半でも若手芸人扱いされている状況が伺えます。

実際に、昨年の『M-1グランプリ』で優勝した『とろサーモン』の2人はM-1グランプリ優勝時38歳でしたが、扱い的にはまだまだ若手芸人に分類される傾向があります。
かつての30代後半の芸人と言ったら、タモリさんは『笑っていいとも!』を既に始めていますし、ビートたけしさんは『たけし軍団』を率いて様々なテレビ番組に出演しています。
明石家さんまは『恋のから騒ぎ』や『さんまのからくりTV』を始めた時期で、既に上記した2人と共にお笑いビックスリーの一角となっていました。
以上のように、かつての30代後半の芸人はベテランといっても過言ではないような存在だったのです。

先述した『とんねるず』、『ダウンタウン』、『ウッチャンナンチャン』たちは、このお笑いビックスリーが全盛期の時代に若者を代表する形で台頭してきました。
しかし今のお笑い界には若者を代表するようなお笑い芸人がいないし、出てくるような環境すらも近年はなくなってきているように感じます。

少し年代を遡って、若手芸人が中心となって人気を得た番組を見ていきましょう。

1992年~2008年:ボキャブラ天国
 出演者:爆笑問題、ネプチューン、くりーむしちゅー、土田晃之etc.

1995年~2018年:めちゃモテ/めちゃイケ
 出演者:ナイティナイン、極楽とんぼ、よゐこ、オアシズ

2001年~2012年:はねるのトびら
 出演者:キングコング、ロバート、インパルス、ドランクドラゴン、北陽

2008年~2010年:THE THREE THEATER/爆笑レッドシアター
 出演者:狩野英孝、はんにゃ、フルーツポンチ、しずる、ジャルジャル、ロッチ、我が家、柳原可奈子

『ボキャブラ天国』、『めちゃイケ』で活躍した若手芸人は、そのまま芸能界を席巻するレベルで売れていきましたが、『はねるのトびら』、『THE THREE THEATER』で活躍した若手芸人は一時的に人気が上がったものの、その後はいまいちパッとしない傾向が見てとれます。
ここで挙げたお笑い芸人の世代の間に何があったかというと、『第二次ベビーブーム』です。
第二次ベビーブームとは、主に1971年から1974年に起きた出産ラッシュで、現在の40代の芸人が売れ続ける背景は、この同世代人口の多さにあると考えられるのです。
そしてそれ以降の世代は少子化の影響で人口が減る一方なので、現在の30代以下の芸人は人気が出ずらく、いつまでも若手芸人扱いされていると考えられます。

このような傾向は、お笑い界ほどではないにしろ音楽界などでも見てとれ、いずれはドラマや映画などの世界にまで広がっていくものと思われます。
もし今のままの状況が続けば、日本は若者を代表するような人がなかなか出てこない社会が形成されていくことでしょう。
完全実力社会のスポーツ界だけは例外でしょうが、大衆を楽しませる芸能文化が若者を無視し続けるような国の未来は、決して明るくないと私は思います。

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