近年、顔出ししないアーティスト(歌手)が増えているそうです。
現在の日本でもっとも人気のあるアーティストと言っていい存在の米津玄師さんも、髪で目を隠すなどして顔を一部隠しています。
かつての音楽シーンでも、類似の歌手が人気を得たことがありました。
例えばZARDの坂井泉水さんはテレビなどに登場したのは初期のときだけで、以後、一切人前に出ることはありませんでした。
しかしミュージックビデオでは顔を出しており、一切顔出しをしなかったわけではありません。
もっと古い話で言えば、フォークソングやニューミュージックの歌手がテレビへの出演を拒否することが流行った時期もありました。
しかし彼ら彼女らもライブ活動は行っており顔出しはしています。(サングラスを絶対に外さない歌手などもいましたが)
かつての音楽シーンで完全に表に出ない歌手は、ヒット曲がほとんど望めないような俗に言うスタジオ歌手ぐらいでした。
しかし現在は、トップアーティストが全く顔出ししないというケースが増えているようです。
ヨルシカ(代表曲:君に晴れ)
ずっと真夜中でいいのに(代表曲:秒針を噛む)
Ado(代表曲:うっせぇわ)
などのアーティストは、高い人気を得ていながら一切顔出しをしていません。
『春を告げる』がヒットしたyamaさんは人前に出る際はアイマスクを付けパーカのフードを被っていますし、『カワキヲアメク』の美波さんはSNSでは顔出しをしていますがメディアでは顔出ししないというスタンスを取っています。
こういった現象は、以前に書いたように現在人気のボカロPの陰キャ気質によるものも大きいのでしょうが、それだけではない日本特有の事情が影響していると思います。
それは日本の芸能界に感じる問題点で、ズバリ日本の芸能関係者は『歌手は歌を歌う人である』という当たり前のことを理解していないのです。
日本の芸能界は、誰でも彼でもバラエティ的に扱う傾向が極めて高く、俳優やスポーツ選手、挙句の果てには一般人までもバラエティ的な扱いをして番組制作をしています。
このような日本のテレビ業界のことを考えると、歌手が表(テレビ)に出たくなくなる気持ちもよくわかります。
近年、芸能分野で国際的な評価を著しく向上させた存在と言えばK-POPアーティストです。
K-POPアーティストが諸外国で人気を得た理由は、人種や国家に関係なく誰しもが変わらない評価を下しやすい『カッコいい』や『セクシー』という特徴を素直に表現できている点が大きいと思います。
しかし日本の芸能界は、こういったアーティストの『カッコいい』や『セクシー』という部分をそのまま表現することなく、何でもかんでもバラエティ的感覚で扱ってしまうのです。
これでは、日本人アーティストが国際的な評価を得られないのも納得です。
日本の芸能界は、アーティストをちゃんとアーティストとして扱うような番組を増やしていかないと、アーティストのほうからそっぽを向かれてしまうのではないでしょうか?
というか、もう半分そっぽを向かれており、顔出ししない歌手がネットを中心に活躍しているのだと思います。
以上、日本で顔出ししないアーティストが増えている理由を考えてみました。
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