メディアやSNSを見ていると、山上徹也容疑者が安倍元首相を襲撃した理由についての答えを、1つに求めようとしすぎている気がします。
現実的に、大きな事件を起こしたり、あるいは自殺をしたりする理由は、いくつもの理由が複合的に重なっていることのほうが多いと思います。
山上容疑者が特定の宗教団体に対し恨みがあったと供述したことから、ネット内ではその宗教団体がどこなのかが注目を集め、今日辺りからは一部メディアでこの宗教団体が統一教会(世界平和統一家庭連合)であることを報じはじめました。
安倍元首相は統一教会の集会にメッセージを送っており、関係性があったことは一部では既に注目を集める出来事でした。
山上容疑者の母親が統一教会に入信し多額のお布施をした結果、山上容疑者の家庭は経済的に破綻してしまったとのことです。
しかし、山上容疑者の家庭が破綻したのは2002年という20年も前のことで、それだけが安倍元首相を襲撃する理由になったとは到底思えません。
少なくとも、その後の人生がうまくいっていれば、このような事件が起こらなかったと思われます。
山上容疑者は現在41歳で、就職氷河期世代と呼ばれる厳しい就職難の時代を生きてきた年齢層で、実際に自衛隊を退官後に職を転々したことが判明しています。
この就職難により、山上容疑者の人生はなかなか好転しなかったものと思われ、社会に対し強い不満を感じる要因になったのかもしれません。
これは未確定情報ですが、山上容疑者は同志社大学の工学部に入学(中退)していたそうです。
安倍元首相を襲撃する際に改造銃を使ったことを併せ考えると、山上容疑者は工作に対し興味があった節があり、自分で作った改造銃を人に対し使ってみたいという理解しがたい衝動に駆られた可能性も考えられます。
山上容疑者は、安倍元首相に対し政治信条的な憎しみはなかったと供述しているそうですから、単純に問題提起されることの多かった安倍元首相に対し、誤った正義感から銃口を向けたのかもしれません。
また山上容疑者の年齢を考えると、経済的な破綻が大学を中退する理由になっている可能性もあり、その後の人生がうまくいかないことも含め、統一教会に関することで経済破綻したことに強い恨みを持ち続けた可能性も考えられます。
いずれにせよ問題は1つではなく、理由となり得る出来事が複合的に絡み合っているもの想定されます。
犯罪や自殺などという問題の解決について、政治ができることは格差をなくすことしかありません。
(政治信条の問題を除き)今回のような犯罪や自殺は、人が人生を悲観した結果で行われます。
格差が広がれば社会に対して不満を持つ人が多くなることは避けられないわけで、こういった行動をする人は自ずと増えてしまうのです。
今後、山上容疑者のような人が現れないようにするため、日本はできるだけ格差のない社会を目指すべきかと思います。
↓山上容疑者に関する新たな情報を受けて、修正記事を書きました。
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