若者の流行だと思い今まで知らぬ存ぜぬを貫いてきましたが、今年(正確には昨年末から)流行した『うっせぇわ』という歌をたまたま耳にする機会があり、今更ながらに初めて聴くこととなりました。
予想に反し現在社会を大いに反映した歌で、とても強い衝撃を覚えたというのが率直な感想です。
『うっせぇわ』は昨年の10月23日に発表された曲で、歌っている歌手のAdoさんは当時17歳(発表日の翌日に18歳となる)の高校3年生でした。
作詞作曲を担当したsyudouさんは25歳で、いずれも若者が作った曲ということになります。
syudouさんは『うっせぇわ』について自身の体験とはあまり関係がないとインタビューで答えていますが、現在の若者が感じている不満などを歌にしたことは間違いないでしょう。
そして実際に歌がヒットした(話題になった)という事実が、現代における多くの若者が感じていることを代弁している証明に違いありません。
少子高齢化が進むことで若者を抑え込む社会になることを懸念した記事でしたが、『うっせぇわ』は正にこのときの懸念が歌になっています。
基本的に年齢が上がれば社会的な地位や権力も上昇するわけで、本来それを覆すのは数でしかありません。
しかし少子化が進んだ現在の日本ではその数でも若者のほうが少ない状態で、年齢が上なものが下のものを抑え込むような社会構図ができてしまっているのです。
『うっせぇわ』の歌詞に出てくる若者(と思われる人物)は、表向きは健康で頭が良く模範人間として生きています。
かつてなら社会へ不満を持った若者は俗に言う『不良』になったものですが、近年は“コンプライアンス遵守”という言葉に代表されるような過度に正しく生きるよう求めらる時代となっていることは、多くの日本人が感じていることでしょう。
更に、4年制大学の進学率は1990年の24.6%から2020年は54.4%へと2倍以上も上昇し、高学歴化も一気に進みました。
当然、現在の若者は頭が良く(学力が高く)なり、また学生時代はある程度模範的に生きていかなければならなくなります。
こういった不良にすらなれない若者が現在の日本に増加し、表向きは真面目に生きながら裏では社会への不満を溜めているわけです。
以上のように、現在の若者は大きなストレスを感じ、それを発散す術すらない状況となっています。
そんな状況に対し『うっせぇわ』と言いたくなる若者の気持ちはよくわかることで、『うっせぇわ』は正に時代を投影した歌と言えます。
・・・
ここ最近、若者に対し選挙に行こうというアピールをする人が増えていると思いませんか?
現在の日本では10代・20代の投票率が極めて低く若者の意見が政治に反映されにくい状況で、この問題を解決するために『選挙に行こう』という主張は極めて正しいように感じます。
しかし、この考えは半分しか正しいと言えません。
ハッキリ言って、現在の若者は投票に行っても意見が反映されにくい状況となっているのです。
人口の絶対数が少いのですから、いくら若者が選挙に行っても高齢者の意見のほうが優遇されてしまう構図は根本的に覆せません。
こういった状況により、ますます若者は選挙に行かないという悪循環に陥り、結果、日本では若者を度外視した政治が永遠に行われる状況となっているのです。
これは非常に危うい社会構造で、現在の若者及び日本に蔓延る大問題と言えます。
少子化がすぐに解決できる問題ではない以上、日本はもっと若者を認める社会を構築するべきなのではないでしょうか?
これらのことを踏まえると、『うっせぇわ』という歌は若者だけではなく権力を有す多数派になってしまった高齢者こそが聴くべき歌なのかもしれません。
Adoさんは現在に多い顔出しをしないアーティストですが、顔は出さなくともぜひ今年のNHK紅白歌合戦に出場して、高齢者に『うっせぇわ』を聴かせてやってほしいと思います。(NHK紅白歌合戦は高齢者ほど視聴率が高い)
以上、こんな能書きを垂れた記事を見付けた若者には『うっせぇわ』と言い返すことをお勧めします。(;^_^A
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