JKビジネス報道に感じる違和感と中卒就労者への差別意識

社会
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私は、以下のようなJKビジネスに関する報道を見るたび、微妙な違和感を毎回感じていました。

女子高生らによる接客を売りにしたJKビジネス店で18歳未満の少女を働かせたとして、警視庁少年育成課は、JKビジネスを規制する東京都条例違反の疑いで、経営者の田中豊容疑者(27)=住所不定=を逮捕した。

引用:JKビジネス、初摘発 都条例違反容疑で経営者逮捕 – 産経ニュース

JKビジネスには大きな問題があり、それを行っている事業者が逮捕されることも納得です。
ただ、この手の報道が出るたびに、1つの視点が抜けているように感じます。
それは、

高校に行かずに働く人もいる

という点です。

現在の日本における高校進学率は通信制を含め98%を超え、また高校の中退者も減り続け2%を切っているため、現在の若者のほとんどは高校卒業以上の学歴があるわけですが、高校へ行かずに働いている人たちも確実にいます。
その中には、家庭の事情などによりやむを得ず中学卒業後に就職する人も多いでしょうし、中学を卒業して1人で生きていかなければならない事情を持った人もいることでしょう。
おそらくこのような人たちは社会の様々場面で苦労があるものと思われ、社会的に守らなければならない存在です。
このような人たちが働くことに対し、厳しい規制することは正しいことなのでしょうか?

現在、18歳未満の人が働く場合には様々な規制が入ります。
例えば、残業や22時から翌朝5時までの労働などは、基本的に18歳未満の人たちはできません。
このような規制は、本来、子供の守るための規制なのですが、働く側からすれば余計な規制になっている可能性もあります。
もしこのような規制が更に強まれば、18歳未満の社会人がますます働きづらくなっていくことでしょう。
例えば、お酒を提供するお店で働くことが禁止になったり、働く時間の規制が厳しくなったりすれば、18歳未満の社会人は働きづらく、強いては生きづらくなるものと思われます。

しかし現状の日本社会では、18歳未満の人たちに対する労働規制を強めるほうへ動いている気がするのです。
テレビなどを見ていても、21時になると18歳未満の出演を自粛するという業界の自主規制を、過度に守るようになってきていると感じますし、冒頭に記したJKビジネスに対しても、取り締まりが行き過ぎているとの指摘もあります。
このように、現在の日本社会が18歳未満の就労に対し厳しくなってきている様子が伺えるのです。

このような18歳未満の労働に対して規制をどうしてもしたいのであれば、義務教育を高校まで伸ばしてからすべきではないでしょうか?
更に言えば、高校までの授業料はもちろん、教科書材、制服費用、交通費、給食代、遠足代までも含めて完全に無償化にしてからするべきだと思いますし、当然どんなに勉強ができなくても高校まで行けるようにするべきです。
18歳未満を子供として守るべき存在と考えるのなら、これぐらいしてしかるべきだと私は思います。
そして国が教育の義務を放棄する年齢になった人に対しては、余り厳しい規制をするのはべきではないというのが私の考えです。
なぜなら、そのような規制が却って就労に対する苦労を助長してしまう可能性があるからです。

現在の日本で、高校に行かずに働かなければならない状況は、おそらく金銭的な理由が大きいと考えられ、つまりは18歳未満の就労者(学生アルバイトを除く)はお金を稼ぎたいはずなのです。
しかし規制などにより現状それができず、弱者が弱い立場からなかなか抜け出せないような構造になっているように感じます。
そしてJKビジネスなどの報道がされる際に、このような高校に行かずに働く人たちの問題が一切論じられないことに大きな違和感を感じるのです。

もっとハッキリ言ってしまえば、現在の日本には高校に行かない人への無意識的な差別があるのではないかと思います。

そして、そう感じ取れるようなニュースを最近発見しました。

「AKB48の運営サイドから、一部のマンガ誌やグラビア誌の編集部に対して、『今後、高校生以下のメンバーについては、グラビアで水着は着用しません』という通達が回った

引用:AKB48グループが「高校生以下」メンバーの“水着グラビア”封印へ – 日刊サイゾー

高校生以下のAKB48グループメンバーが、水着グラビアを自粛するというこのニュースに私は強い違和感を感じました。
私が違和感を感じているのは、水着グラビアぐらいやってもいいじゃないかという類いの話ではありません。
私がこの記事でおかしいと感じた点は、『高校生以下のメンバー』と書かれている点なのです。
これが18歳未満のメンバーなどと書かれていれば、特別に違和感を感じることはありませんでした。
しかし高校生以下ということは、高校に行かないという選択などあり得ないと言っているようなものではないでしょうか?
そして、これこそが、

高校に行かない人への無意識的な差別ではないか

と思うわけです。

いずれにせよ、現在の日本では18歳未満の社会人に対する扱いが中途半端になっている気がします。

義務教育を高校まで伸ばすのか?
18歳未満であっても義務教育が終われば社会人とみなすのか?

このような問題について、現在の日本人はもう少し考えてもいいのではないかと感じます。

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