感染者が増え続ける新型コロナウイルスに対し、政府が緊急事態宣言などの対策を行わない、または各自治体の対策が遅れた理由に、責任者(政府関係者や自治体の首長)は重症患者の少なさを指摘しています。
経済優先派を訴える人も盛んにこのことを主張しますが、私はこの意見に違和感を感じます。
そこで、新型コロナウイルスに感染し重症になった人が、どれくらいの確率で亡くなるのか調べてみました。
重症という概念にも幅があるようなので一概には言えないのですが、例えばアメリカ・ニューヨーク州では、新型コロナウイルスの流行第一波の際に、人工呼吸器を付けた人の88.1%が亡くなったとの報告があります。(65歳以上に限れば97%が死亡)
イギリスでは、ICUに入った人の51%が亡くなったそうです。(流行第一波時)
この数値は、医療崩壊してしまったことや、未知のウイルスに対する治療法がほとんど分かっていなかったことなどの影響で高くなっているものと思われ、現在は多少状況が違うのでしょうが、いずれにせよ新型コロナウイルスによる肺炎で重症化した患者の数十パーセントは亡くなるものと思われます。
データ的を見ると重症者数を単純な数字と思ってしまいがちですが、そこには生死をさまよう人が確実にいるわけです。
ですので、重症者数が増加するのを待ってから対応していては遅いのです。
そして、重症患者が増えればあっという間に医療体制は崩壊します。
どうしたって医療従事者のマンパワーは重症患者に集中してしまうわけで、ただでさえ足りていない軽症患者に対応する医師や看護師の数が足りなくなります。
ホテルを含めた入院用ベッド数をいくら確保しても、高度な専門技術を有する医療従事者の数を増やすことはほとんどできないのですから、重症者数を増やしたら絶対的にダメなわけです。
以上のように、重症患者が少ないことを理由に新型コロナウイルスの対策を立てないことは行政の怠慢であると指摘せざるを得ません。
そもそも、重症患者の数に対して余裕があるなどという概念そのものがズレた考えであるとも思え、ここ数日、医療従事者側から非常に強い怒りの声が聞こえてくることもうなずける話です。
重症患者が増えるのを待ってから対策を立てていたら取り返しのつかないことになりかねません。
行政に携わる人たちは、今一度感染症対策の基本に戻って新型コロナウイルスの感染拡大に対応してもらいたいと思います。
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