日本が韓国に対して行っていた日韓請求権協定における第三国の仲裁委員選定は、大方の予想通り韓国側の返事のないまま期限を過ぎる結果となりました。
今後、今問題解決に向けて日本側ができる対応は、国際司法裁判所に訴える以外はありません。
このことについて、すぐにでも国際司法裁判所に訴えるべきだと主張する人もいるでしょうが、私は国際司法裁判所には訴えないほうが得策だと考えています。
少なくとも、しばらくは様子見でいいかと思います。
日本と韓国は、福島第一原発事故の影響による水産物の輸入規制について、今年の4月まで国際司法裁判所で争っていました。
この裁判について日本政府や保守層は、日本が絶対に勝てると息巻いていましたが、結果は日本側の敗訴で決着が付きました。
裁判になればいろいろな主張が展開され、日本の思うような展開へ簡単には進んでいきません。
私自身、徴用工(募集工)問題の国際司法裁判で日本が負けるとは思っていませんが、それでも不確定要素の多い裁判の場にこの問題をもっていくのは慎重であるべきかと思います。
そして、そもそもの話として、徴用工(募集工)の問題は既に日本が勝っているとも考えられます。
日本政府は、日韓請求権協定の取り決め沿った形で韓国との仲裁を求めたわけですが、その仲裁を拒否した時点で、韓国政府は自分たちに非があると認めているようなものではないでしょうか?
仲裁の要請とは、自分たちの意見を取り下げて日本側の意見を聞けというものではありません。
あくまで第三者による仲裁を求めるもので、協定内の問題で当事国間に意見の相違が生じた場合は、そのように対応しなさいと日韓請求権協定には書かれています。
それを無視したのですから、韓国は国際社会から相当に見限られるはずです。
そういった意味で日本は既に韓国に勝っていると言えるわけで、わざわざ負ける可能性が少しでもある国際司法裁判所の場で争うことが得策だとは思えません。
韓国国民の反応を見ていても、このことについては韓国政府側への批判的な声も聞こえてきます。
正規の手続きをとって行動している日本政府の対応を無視していることについて、さすがに自分たちのほうが分が悪いと思っている韓国人が多いようなのです。
ですので韓国に対しては今のまま制裁を続け、韓国側が徴用工(募集工)問題の自己解決を図るのをとりあえずは待つべきかと思います。
もちろん他の徴用工(募集工)裁判の様子をしっかりと見定める必要はあるでしょうが、日本企業に明らかな損害が出るまでは、国際司法裁判所へ訴えることは避けるべきでしょう。
また、そもそも日本が国際司法裁判所に訴えかけても、韓国が受けるかどうかすら分かりません。
ただし、二段階式の仲裁手続きを2回とも無視し、更に国際司法裁判所への訴えも受けないとなれば、韓国は国として終りに近い状況に陥ります。
現在の韓国政府は慰安婦合意も実質破棄しているので、国際社会の目が尚のこと厳しくなるのは必至です。
文在寅政権は後2年もすれば死に体政権と化すので(俗に言うレームダック)、国際状況を踏まえた韓国国内で新たな動きも加速化してくると考えられ、いずれにせよ日本は慌てる時ではないと思います。
日本政府はもちろん与党の国会議員なども、この問題については熱くならずに冷静に対処すること得策であると、しっかりと認識をもって行動していくべきでしょう。
そうでないと、韓国に足元をすくわれかねないということを、関係者には肝に銘じていただきたいと思います。
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