新興宗教に対する規制の難しさ

社会
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前回の記事で宗教2世の問題を実体験を交え取り上げましたが、その記事で紹介した以外にも、私が小中学生時代の1学年上にはお寺の息子がいました。
お寺の息子ということもあってか常に丸坊主で、今はお寺を継いでいるそうです。
また、お笑い芸人の狩野英孝さんは、実家が宮城県の櫻田山神社であることが知られています。

彼らも宗教2世と呼べるのでしょうか?

実際このような神道や仏教の2世は、宗教2世という問題とは分けて考えられることがほとんどです。
高円宮親王の次女である典子様と結婚した千家国麿さんは宗教85世ですが、安倍元首相襲撃事件を起こした山上徹也容疑者と同列に語られることはありません。

日本では神道と仏教の伝統や施設を長い期間に渡り守っており、そのため宗教法人に対し税制面でかなりの優遇措置を与えています。
伊勢神宮や出雲大社や東大寺が、固定資産税を払えずに売り払われるなんて事態が起きたら大変です。
神社やお寺を末永く守りたいという感情は多くの日本人に共通しているものと思われ、本音としては、神道と仏教以外の宗教には税制面の優遇措置を与えるべきではないと感じている人が多いのではないでしょうか?

しかし、新興宗教も教義や成り立ちから神道系、仏教系などに別けることができ、神道や仏教にも宗派があります。
そのため、神道・仏教と新興宗教との明確な線引は不可能なのです。
神道で言えば、神社本庁という神道全体を管理する宗教法人があり、ここに限定して優遇する法律を作ることも可能なのかもしれませんが、そうなると出雲大社の扱いが曖昧になってしまいます。
明治時代に信仰の自由が法律化され、神社が宗教法人になる際、伊勢神宮と出雲大社のどちらが上なのかで揉めます。
その影響から、出雲大社は伊勢神宮を頂点とする神社本庁には所属するものの、宗教法人としては別なものとなっているのです。
更に出雲大社内でも歴史的経緯から2つの宗教法人に分かれており、神社の宗教法人は予想以上に複雑なのです。
仏教にも多数の宗派があることは広く知られ、このことは多くの人が理解していると思われます。

以上のように、神道と仏教だけ優遇したくとも、現実的に宗教を分け隔てることが不可能なので、宗教を一括で優遇するしかないのです。

当然、地域の神社やお寺がなくなったら困るので、宗教に対する税制面での優遇は必要不可欠なのですが、一方で守らなければいけない神社もお寺もない新興宗教は、税制面の優遇だけを受ける形となり、莫大な資産を溜め込むことが可能となりました。
結果、前回紹介した霊波之光のお城(天使閣)や、パーフェクトリバティー教団の大きな塔(大平和祈念塔)、伊豆にある世界真光文明教団の宗教施設(主晃一大神宮)など、新興宗教による信じられないような巨大施設が日本中で作られる事態となります。
立正佼成会などは東京23区内に巨大な施設を有してますし、学校経営をしている新興宗教も多数あります。
こういった新興宗教団体の現状は、宗教法人における税制面の優遇が極めて大きいことを示していると言えるでしょう。

そして、この新興宗教における潤沢な資金が、政党への献金や支援という宗教と政治の深い関係に繋がったと思われるわけです。

いずれにせよ、現在の日本は新興宗教の存在が大きくなりすぎている気がします。
今後は新興宗教に対して一部規制を設けるのか、あるいは優遇措置の解除や低減が必要なのかなど、議論をしていく必要があります。

当然、カルト宗教がいけないことは多くの人の共通認識なはずです。
しかし、その他の新興宗教の扱いをどうするべきか意見が大きく分かれるものと思われます。
新興宗教は全てダメなのか、それとも天理教のような歴史も深く世間に広く知られているような新興宗教は問題がないと見なすのか(天理市は日本唯一の宗教都市である)、意見は様々あるかと思います。
宗教問題はタブー視されがちですが、今こそ新興宗教に対して国民的な議論をする時期が迫っているのではないでしょうか?

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