ここ数年あるいは十数年の日本では、地方活性化という問題がよく叫ばれるようになってきました。
地方創生大臣という特命大臣も、2014年以降の内閣で定着化して誕生し続けています。
首長や地方議員、地方の経済界も、こういった政府の動きに呼応してか地方活性化に力を入れているようになってきた感じがします。
しかし、地方活性化は本当に良いことなのでしょうか?
もちろん、地方が活性化することは基本的に良いことでしょう。
一極集中型の社会では、大きな災害(主に地震)が起こった際に被害があまりにも大きくなってしまうため、日本という災害大国で1つの地域(東京を中心とした首都圏)に集中した社会を構築するのは危険です。
また、今起こっている感染症の拡大という点で考えても、過度に高い人口密度は問題となります。
日本にとって東京一極集中の解消は、地方の活性化とほとんど同意語なのですから、地方活性化は当然良いことに繋がるかと思います。
しかし問題は、実際に地方に住む人たちが地方活性化を望んでいるかということなのです。
日本は世界でもっとも高齢化が進んでおり、高齢者の比率も高いことでも知られています。
地方はその比率がさらに高いわけで、住んでいる人の半数以上が高齢者という地域も珍しくありません。
このような高齢者が地方活性化を望んでいるのかは、大いに疑問を感じます。
地方が活性化するということは、人が賑わって経済状況も良くなり、観光客が大勢来たり大型なショッピングモールができたりするわけです。
実際に、行政による積極的な誘致が成功し、今までほとんど外国人がいなかったような地域に外国人観光客が大勢来るようになった地方もあります。
このような地方活性化を高齢者の人たちが望んでいるのかについては、大いに疑問を感じるのです。
日本人には、老後は田舎で静かに暮らしたいみたいな感覚があると思います。(実際に暮らすかどうかは別にして)
そんな田舎が活性化されて外国人観光客で賑わったら、静かに暮らしたい人にとっては迷惑千万以外の何物でもありません。
そもそも高齢者は激しい変化を嫌う傾向がとても強く、高齢者比率の多くなった地方住民は、そこまで強く地方活性化を望んでいないと思われるわけです。
これが地方活性化が進まない理由であり、そもそも本当に地方活性化を進めることが正しいのかという疑問にも繋がっていくのです。
政府、地方の政治家(首長、地方議員)、地方の財界人も、ただ地方活性化と叫ぶだけではなく、なぜ地方活性化をしなければならいのか、本当にその場所は地方活性化をする必要があるのかなどを含めて、幅広い議論をする必要があるのではないでしょうか?
以上、地方活性化の問題について、少しネガティブに考えてみました。
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