現在、新型コロナウイルスの流行により日本の実店舗(現物商品を手に取れたり店内で飲食できる店舗)の売上が大きく下がり、政府や各自治体はこれらの店舗が潰れないようにと様々な補償を行っています。
このような行政の行動は、本当に正しい行動と言えるのでしょうか?
当然、経営者や従業員にとってお店が潰れてしまうのは死活問題ですが、しかし日本全体の経済活動を考えた場合、実店舗の閉鎖は経済にとって必ずしもマイナスではないかもしれません。
以前にも書いていますが、日本の飲食店(デリバリー専門店を除く)の数は他国に比べて異常なまでに多いと言われています。
その他、コンビニ、百貨店、スーパーマーケット、ショッピングモールなども、日本は数が多すぎる気がします。
アパレル店なども、日本はアメリカより人口比で2倍以上、ファッション大国と呼ばれるようなヨーロッパの国と比べても店舗数が多いそうです。
これはこれで便利ですし、観光客などからは高く評価されているわけですが、しかし一方でこの問題はインターネットにおける商品取引(Eコマース)の遅れという問題の表裏一体と言えます。
現在、商品の売買方法が、店舗を構えることよりもインターネットで物を売るほうへシフトしていることは、もはや説明するまでもないでしょう。
中国では、11月11日が独身の日と呼ばれるもっとも商品が売れる期間となり、今年の独身の日はアリババグループと京東集団という2つの会社だけで、1日に12兆円もの商品を売り上げたそうです。
日本もインターネットで商品を買うことは一般的となり、そこまで遅れている状況ではないように見えますが、他国と比べるとインターネットサービスの遅れは著しいものとなっています。
タクシーの配車サービスやオンラインの出前サービスなども、他の先進国と比べると遅れが目立っているとのことです。
結局、旧来の実店舗優先主義を尊重するあまりインターネット販売の部分が疎かになっているということなのでしょう。
何でもかんでも他国に合わせることが良いとは言いませんが、現在における日本のインターネット分野の遅れは看過できないものがあります。
Google、Amazon、You Tube、Twitter、Instagram、Netflix、Tik Tok・・・
日本で使われている主要なインターネットサービスは、ほとんどが海外企業のサービスです。
かろうじてLINEやYahoo!(Yahoo!JAPAN)に日本の企業が加わっているだけで、一時期調子の良かったミクシー、ニコニコ動画(ニコニコ生放送)、アメーバブログなどはシェアを大幅に落としていますし、楽天市場は出店者からも利用者からも高い評価を得られていないようです。
国内サービスとして最近話題になったAbemaTVは、極端な赤字体質で黒字化する目処はまだ立っていません。
このような国内のインターネットサービスがあまり伸びない原因に、実店舗数の多さという問題も影響しているように感じます。
新型コロナウイルスが流行したことにより、在宅勤務によるインターネット技術の活用が話題になりましたが、これをきっかけに今一度、日本は官民一体となってインターネット改革を行う必要があるのではないでしょうか?
そしてそこには、明らかな過剰となっている実店舗数の縮小も含まれるものだと私は思います。
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