前回に引き続き、衆議院選挙前に書きたかったことを今更ながら書いていこうと思います。
今回は、選挙戦が始まった当初に自民党の高市早苗自民党政務調査会長によって発表された『日本の防衛費をGDPの2%にする』という話についてです。
現在の日本における防衛費はGDPの1%程度ですから、2%は一気に2倍にするということと同じ意味であり、普通では考えられない増加率となります。
もし日本の周辺国である中国やロシアや韓国が軍事費を2倍すると言ったら、ほとんどの日本人は批判的な目で見ることでしょう。
もちろん、GDP比1%という日本の防衛費は世界の平均(GDP比2.2%程度)よりもだいぶ少ないので単純に比較はできないですが、増加率で見れば同じこととなります。
とは言え、私はこの防衛費2%論について完全に反対を表明するつもりもありません。
条件が整えば賛成することもありえます。
その条件とは米軍基地の縮小です。
戦後、日本にある米軍基地は少しずつ減っていきましたが、1972年の沖縄返還以降はほとんど横ばいとなり、その状況が50年間続いています。
日本の政府・国民は、このままずっと在日米軍が減らずに維持されるべきだと考えているのでしょうか?
私は、在日米軍は時代とともに当然縮小していくべき存在だと思います。
日米同盟の破棄などといった極端なことを言うつもりはありませんが、日本の米軍基地は明らかに多すぎます。
そして、この横ばい状態の米軍基地を再び減らす方向に転換するには、日本自身で自国を守る能力を得る以外他にありません。
それには軍事費の増加は欠かないわけです。
具体的に言えば、日本にある実行部隊を伴う米軍施設は、三沢基地、横須賀基地、佐世保基地の3つで十分で、後はすべて返還してもらいたいと私は考えています。
日本周辺における最大の懸念は朝鮮半島有事なわけですが、当事国の韓国よりも日本のほうが遥かに米軍施設が多いというのはおかしすぎる現象と言えるのではないでしょうか?
現在の日本は赤字国債で予算を組むことが当たり前となり、新型コロナウイルスに関する経済対策をするにしても税制が逼迫していると言ってなかなかお金を出しませんでした。
そんな状態の日本で、毎年5兆円を超える防衛費の増加は普通に考えて非現実的です。
つい先日も、公明党が選挙で掲げた18歳未満の10万円の給付案について、自民党と激しく揉めていたことは記憶に新しいと思います。
更に、戦後の日本は防衛費をGDP比1%収めていたおかげで経済政策に回すお金が増え発展してきた側面もあるので、在日米軍を縮小することが本当に正しいことなのかも含め、相当の議論が必要になることは間違いありません。
個人的には、そんな予算があったら南海トラフの巨大地震、首都圏直下型の巨大地震、富士山の噴火などといった、いつ起こってもおかしくない国家を揺るがせかねないような自然災害の対策をしたほうが効果的ではないかとも思います。
いずれにせよ、今後、日本の国防の在り方については国民的なな議論が必要になってくることでしょう。
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