河野太郎大臣が行った女系天皇容認論について

社会
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河野太郎防衛大臣が、ニコニコ生放送の番組で女系天皇を認める発言をし波紋を呼んでいるそうです。
私はこのブログの中で、過去に3回、天皇の継承問題についての記事を書いてきました。

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大まかな内容として、河野大臣と同じく女系天皇を認めるしか天皇制を維持する道はないという主張となっています。
しかし保守系の人は、この女系天皇に批判する人が多く、河野大臣も女系天皇容認の発言をした瞬間からSNSで大きな批判を受けています。
そして保守系の人たちが強く推奨している案が、旧宮家(旧皇族)の皇籍復帰です。
この問題についても過去に取り上げているので簡単な説明に済ましますが、旧宮家(伏見宮の家系)には天皇を継承する上で、以下に示す3つの大きな問題があります。

1、皇籍を離脱して70年以上の時間が過ぎている
2、男系と共に重要視されてきた直径主義からあまりにも逸脱している
3、男系で血筋を継承されているかについて強い疑惑がある

この3つの問題に加え、現在の国民の7割が女系天皇を容認しているというアンケートも示されています。
このような状況を反故にしてまで、旧宮家の皇籍を復帰させるという主張は説得力が乏しすぎるのではないでしょうか?

また、保守系の人は“女性天皇は容認する”という意見が多いのですが、これもおかしな話と言えます。
保守主義の団体などでは、天皇家が2600年以上続く家系であると主張しています。
これは初代の神武天皇が紀元前660年2月21日に即位したという神話の話を採用しているわけですが、最初の女性天皇である推古天皇の即位が西暦593年ですから、その時点で天皇制は1200年以上も経過していたということになります。
それまでの天皇は全て男性であったため、推古天皇は1200年以上続く伝統を崩した女性天皇であるということです。
この1200年の伝統を崩した事実は容認するのに、男系という伝統を崩すことは認めないという理論は説得力がなさすぎます。
むしろ天皇制が採用されて1200年後に女性天皇が認められ、それから1400年後に女系天皇も認められるようになったのであれば、歴史の流れから普通なのではないでしょうか?
※私自身は、継体天皇以前の男系継承について不確実であると考えているので、天皇家による男系は血筋は1500年の歴史と考えています。

正直、このような話をしたところで意味はありません。
もはや天皇継承問題はその段階ではないのです。
もし悠仁親王殿下に男子が3人生まれたとしても、側室がいなければ男系の血筋はいずれ途絶えます。
これは科学的な事実であり、覆しようがありません。
側室制度の復活や、皇族の精子を保存し科学的に妊娠・出産するなどの方法を訴える人も一部にいますが、そんな方法を採用したら、それこそ国民から全く尊敬されない皇族が生まれるだけで、女系天皇を採用する以上に問題は大きくなることでしょう。

旧宮家の皇籍復帰も現実性は低く、もし実現したとしても、側室がいなければいずれは男系の血筋が途絶えることに変わりはないのです。
今はもう、男系での天皇継承ができなかったことを後悔・反省する段階で、このことはサッカーのアディショナルタイムに入ってから3-0の状況を逆転することが物理的に不可能なことと同じです。
つまりは、天皇の継承問題は男系以外の策を考える段階に入っているということであり、そういった意味で河野大臣の主張は正しいと言えます。

天皇継承問題について男系以外の策として考えられることは、普通に考えて女系容認か天皇制廃止しかありません。
今さらチベット仏教みたいに、国民から無作為で天皇を選ぶような案は認められるわけもなく、現在の血筋から天皇を探すしか道はないと思います。
そして私は天皇制を廃止するべきではないと思うので、男系継承が極めて難しくなった現状では、女系天皇を認めるしか道はないと主張しているわけです。
それでも尚、男系維持を頑なに主張する人は、ハッキリと男系が維持できなくなった段階で天皇制を廃止にすると言ってほしいと思います。
そこを曖昧にしたまま女系天皇を否定することは“逃げ”です。

私がこのブログで初めて天皇の継承問題に触れたのが4年前の7月、平成天皇が譲位の意向を示されたときでした。
その後、天皇継承に関する真の議論である男系・女系の問題についての活発な議論を期待しましたが、現状、そのような議論は起きていません。
いい加減、この状況を打開しなければならないのではないでしょうか?

現役の国務大臣が女系天皇を容認する発言をしたことで、この議論が進むことを期待して終わりにしたいと思います。

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