ここ数日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最高を更新し続けていますが、この状況について政府は、感染を拡大しないような行動を国民に促す一方で、緊急事態宣言はもちろん、緩和されたイベント制限を強化することもなく、感染拡大を招きかねないGoToキャンペーンも中止しないと主張しています。
各自治体も注意喚起はするものの、飲食店の時短営業や外出の自粛を促すようなことはありません。
いずれの対応も、感染拡大を防ぎたいのか経済活動を重視したいのかよくわからない中途半端な対応と言えます。
ただし、現在の日本においてこういった中途半端な対応を感じるのは新型コロナウイルスに関してだけではありません。
例えば、エネルギー政策です。
現在、国際的なエネルギービジネスの潮流は完全に自然エネルギーに移っており、各国・各企業で激しい争いが展開されています。
しかし日本では原発の再稼働や、石炭を使った高効率型の火力発電の推進などといった、時代遅れなエネルギー政策を推進するほうへと向かっているのです。
自国で福島原発事故という大きなきっかけがあったのですから、自然エネルギー推進へと一気に進んでいけばいいのに、なぜか政府は未だに自然エネルギーに消極的で時代の潮流に乗れてません。
原発開発にこだわった東芝が、会社の存続が危ぶまれるほどの危機的状況に陥ったにもかかわらずです。
ましてや石炭を使った火力発電などは、どの国も積極的に新採用するとは思えず、技術の輸出ができず極端なガラパゴス化を招く可能性を感じます。
ここは思い切って自然エネルギーへと舵をとったほうが、日本の経済にもプラスになると思います。
日本の根幹産業である自動車産業にもこういった状況は見て取れます。
現在、自動車メーカーでもっとも高い時価総額を誇っているのが、電気自動車専門メーカーのテスラです。
一方、日本の自動車メーカーは今現在もハイブリッド車を地球に優しいエコカーだなどと言って一生懸命開発・販売しています。
イギリスでは、2035年にハイブリッド車の新車販売も禁止にするとしていますが(純粋な化石燃料車は2030年で廃止)、日本の自動車メーカーはハイブリッド車といういかにも中途半端な自動車を2020年現在も一生懸命開発しているのです。
これが販売台数で大きく劣るテスラの時価総額(株式価値)にトヨタが負けている理由で、日本の自動車メーカーは株式市場から将来性が乏しいと思われているわけです。
株の話で言えば、ここ最近、日経平均が29年ぶりの高値を記録したというニュースを見聞きした人も多いかと思います。
しかし逆に考えると、日本の株価指数は30年前の株価を未だに超えることができていないということです。
こんな国は世界中を探してもまずないでしょう。
アメリカの株式指標であるダウ平均は、30年前より10倍以上も上昇しています。
では、なぜアメリカの株価はこんなにも値上がりしたのでしょうか?
それは、アメリカが家電や(化石燃料を使った)自動車という古い産業を捨てて、時代の潮流に乗った産業に主要産業を次々と移していっているからです。
株価は企業の将来性を見越して上がっていくので、古い産業ではなく将来性のある新しい産業のほうに、よりお金が集まりやすくなるのです。
そして現在においてもっとも注目を集めている産業とは情報産業で、アルファベット(Google)、Facebook、Twitter、Amazon、NetflixなどといったアメリカのIT企業は世界を席巻しています。
中国もこれに続きIT企業が著しい成長を遂げているのですが、日本のIT企業は世界で全く活躍できていません。
結局のところ日本人は、古い産業を捨てるという決断ができないのでしょう。
エネルギー政策や自動車の動力、または新たに誕生した情報産業などは、政府が旗振り役となって方向性を決めていかなければいけない部分も多分にあるわけですが、日本の場合はその政府すらも中途半端な対応に終止しているのですから経済発展が滞るのも頷ける話です。
こういった日本(日本政府)の中途半端な思想が、新型コロナウイルスの対応にも現れている気がします。
新型コロナウイルスを抑え込むならしっかりと対策を打ち出して抑え込み、感染が収まったら再びGoToキャンペーンなどといった景気刺激策を行えばいいはずです。
ブレーキを踏むときはブレーキ、アクセルを踏むときはアクセルと、誰にでもわかるハッキリとした対応をしなければ、車はスピンして事故を起こすだけです。
今のこの状況で経済活動のアクセルを踏むことができないことは明白なのですから、1度しっかりとブレーキを踏み、再びタイミングを見て景気刺激策を打ち出すことべきなのではないでしょうか?
以上、日本の政府首脳や企業代表の皆さん、いい加減、中途半端な対応は止めにしませんか?
記事投稿直後に、菅首相がGoToキャンペーンの一部を一時停止すると発表しました。
- 競馬(公営ギャンブル全般)は儲からないのでやるだけ無駄という話
- ロシアの脅威がなくなる方法④ 選挙による政権交代
- ロシアの脅威がなくなる方法③ 共和国の独立
- ロシアの脅威がなくなる方法② 軍事クーデター
- ロシアの脅威がなくなる方法① ロシア国民による民衆蜂起
- トランプがアメリカの大統領だったらロシアのウクライナ侵攻は回避できたのか?
- 今後のロシアが進む道は大きな北朝鮮化か?
- 国際社会は今こそ世界大戦を起こすべき!
- プーチンが目指しているのは世界征服? 国際社会はプーチンの暴走をいつ止めるのか?
- ロシアのウクライナ侵攻について一般ロシア人は被害者なのか加害者なのか
- ロシアに対する経済封鎖をした結果訪れる世界
- ロシアによる核兵器使用の可能性を考える
- 戦争と感染症
- ウクライナに侵攻したプーチンの思惑と新型コロナウイルスの流行
- ウクライナの圧倒的劣勢にみる21世紀の戦争
- ロシア・ウクライナ戦争、今後の動向はNATOの動き次第か?
- ロシア軍のウクライナ侵攻に対する本田圭佑の意見について
- ロシア・ウクライナの対立と第三次世界大戦
- 著作権に対するデジタル庁の役目は権利者を守ることではない!
- 三浦瑠麗の思慮が浅すぎる件について
コメント