企業のグローバル化時代に行われる国家による経済的制裁の意味

経済
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少し前に、自動車会社のルノーとフィアット・クライスラーが合併する話が出たことを覚えている人も多いかと思います。
日産との関係からルノーに目が行きがちですが、フィアット・クライスラーとは、2014年にイタリアのフィアットとアメリカのクライスラーが合併した企業で、登記簿上はオランダ、本社はイギリスにあります。
つまり、イタリアとアメリカの会社が合併して、オランダあるいはイギリスの企業になったわけです。
このことを日本で身近な話に直すと、日本のホンダと韓国のヒュンダイが合併して、本社を台湾に置くようなものです。

グローバル化が進んだ現在社会において、世界的な大企業は、もはや国という固定概念を捨て文字通りグローバルな活動を行っています。
日本のトヨタも世界中に多数の工場を持っていますし、韓国のサムスン電子の外国人持ち株比率は50%を超えています。
こういった企業は、もはや日本企業であるとか韓国企業であるなどといった概念そのものが薄れてきているのかもしれません。

企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報化されていない近未来

引用:攻殻機動隊単行本1巻 士郎正宗(著)

これは、漫画『攻殻機動隊』の冒頭の言葉で、将来、国家や民族といった価値観が希薄化していくことを示唆しています。

さて、先日、日本政府が韓国に対して行った3つの化学素材の輸出優遇措置解除の問題ですが、果たしてグローバルな活動をしている企業にとってどれほど効力を発するのでしょうか?
今回、輸出優遇措置を解除された化学素材は、日本メーカーが高いシェアを獲得していることは理解しています。
ただ、その化学素材が日本産なのかはよくわからない(この点について報道がない)のが現状で、もし海外の工場で生産しているのなら、そういったものに日本政府が規制をすることが可能なのかという疑問も生じます。

このような国家間の対立は、企業が国家という価値観を捨てグローバルに活動しようとしている時代に、国家がグローバルという価値観より自国第一主義といったナショナリズムになびいているようにも感じられます。
日韓の貿易摩擦、米中の経済対立、イギリスのEU離脱問題・・・
どれも、背景にはグローバルとナショナリズムという対立の構図があると言えるでしょう。
むしろこれら対立は、国家間の対立というより(グローバルな)企業と(ナショナリズムな)国家の対立なのかもしれません。

いずれにせよ、攻殻機動隊で予見された未来が来るのは、まだまだ先になりそうです。

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