先日、YouTubeから低評価の表示を非公開とする設定が加わると発表があり、既に非公開がデフォルトの設定となっています。
動画を見る視聴者から考えた場合、低評価が多い動画ならすぐに離脱することも可能なのですが、低評価が非公開ですと最後まで見た挙げ句にくだらない動画で時間の無駄だったということも頻発してしまいます。
そもそも関連動画や検索時に動画の評価状態が分かれば、低評価の多い動画は開かなくて済むのですが、YouTubeはそういった対策ではなく全く逆の対応をしたわけです。
関連動画や検索時に評価が低い動画は表示されづらいようにしているのかもしれませんが、それはそれで検索したいものが正しく検索できない状況を生んでしまいます。
また低評価が他人に見えない以上、視聴回数さえ多ければ何でもいいみたいな発想になりやすく、問題行動を含むような炎上系の動画制作が横行するかもしれません。
または、タイトルとサムネイルと呼ばれる見出し画像だけで注目を集めるような“釣り動画”が増える可能性もあります。
いずれも動画の質を低下させる行為と言えます。
以下で示すダブルキノシターズの謝罪動画も、低評価の表記がなければ視聴回数の多い評価された動画に見えてしまうのです。
自分の評価も他人の評価も見えてこそ動画制作者はより良い動画を作ろうと努力するもので、今回の低評価非公開という仕様変更は、こういった動画の質を向上させようとする動画制作者の感覚を薄れさせ、YouTube動画の質低下にますます拍車が掛かるように感じます。
以上のように低評価の非公開という仕様変更は、視聴者にとってマイナスしかないわけです。
一方、動画制作者から考えれた場合、嫌がらせ対策や精神衛生面などでメリットとなる部分もあります。
つまり今回の仕様変更は、完全に動画制作者(クリエイター)優先の対応だったわけです。
ここにYouTubeの思惑が透けて見えます。
現在、YouTubeは動画サイトの中で圧倒的な地位を手に入れていることは説明するまでもありません。
これだけの地位を手に入れたら、通常は批判の対象などにならないように規制を強化してクリエイターを絞る作業を行うのですが、YouTubeはクリエイター優先の仕様変更を行いました。
つまり、YouTubeはまだまだ新しい動画制作者を集めたいと思っている様子が伺えるのです。
近年は多様な動画サイトが次々と誕生し、思っている以上にYouTubeには焦りがあるのかもしれません。
そのため、今はまだ規制を強化してクリエイターを絞る時期ではなく、動画を制作する人を増やして他の動画サイトを牽制したいというのがYouTubeの本音なのだと思います。
しかし動画の質が低下すれば、その動画サイトは一気に視聴者の信頼を失う可能性も考えられます。
そう考えると、意外にYouTube一強時代はそう長く続かないのかもしれません。
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