侮辱罪の厳罰化と言論統制の現実化

社会
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先日、山本一太群馬県知事をTwitterで脅迫した男が逮捕されました。
その内容は以下の通りです。

このツイートは、群馬県のTwitterにリツイートされる形で行われているので、県の職員が山本一太知事に対する脅迫だと受け止め通報したようです。
確かに、このツイートは安倍元首相が銃撃された日の午後5時22分に行われているので、脅迫めいたものがあります。
しかし、文の中には『安倍』以外に『竹中』とも書かれています。
これは、おそらく元財務大臣の竹中平蔵氏を指すと思われ、竹中元財務大臣は今も普通に存命で襲われた事実もありません。
この竹中という文字と文面(画像に書かれた文章を含む)から判断するに、このツイートは税金の私的流用に対する批判と思われます。

もし絵画の好きな人が県知事になり、その就任期間に県の運営する美術館が高級な絵画を買いまくっていたら、それは県知事の私的な流用だと大きな批判を浴びることでしょう。
こういった部分が、安倍元首相や竹中元財務大臣にもあったという批判が前々からあり、普通に考えれば、上記のツイートはその点についての指摘と思われるわけです。(山本一太知事の問題は他県のことなので把握していません)
こんなことで逮捕なんてされていたら、政治批判なんて何もできません。
このレベルのツイートで逮捕に至った背景には、通報したのが県の職員だったことと、7月7日に厳罰化された侮辱罪の影響があると思われます。
インターネットでの誹謗中傷は昨今問題化しており、法を改正し積極的に取り締まっていく方針が示されているのです。

この侮辱罪の厳罰化は、2年前に起こった木村花さんの死がきっかけになった部分が大きく、実際に母親である木村響子さんは、この問題について積極的に活動し政権関係者とも会って意見交換をしていました。
しかし、木村花さんの最後のツイートは以下のように書かれていたのです。

死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。

引用:木村花のTwitter(現在は削除済み)

この文章(特に“今までずっと”の部分)を読むに、木村花さんはSNSで誹謗中傷される前から、自分自身に大きな問題を抱えていた様子が窺い知れます。
出演したテレビ番組のテラスハウスで起こったとされるトラブルはおろか、テラスハウスに出演するよりも、またはプロレスラーになるよりも前から、木村花さんの中には何らかの問題があったように感じるのです。
そうなると、SNSでの誹謗中傷が木村花さんを死に至らしめた原因だったのかよくわからなくなってきます。

木村花さんは、このツイートをした数時間後に亡くなってしまうのですが、SNSでの誹謗中傷が死の原因であるのなら、とりあえずSNSをやめれば問題を回避できます。
普通に考えて、SNSをやめることは学校や会社をやめるほどの大きな問題ではありません。
にもかかわらず、木村花さんは死ぬ直前までSNSを行い続けるなど、SNSに対する強い依存性があったように思います。
こういった何かに強く依存していた事実も、木村花さんに精神的な問題が元々あったように思えてしまうわけです。
木村花さんの死に対し、SNSでの誹謗中傷が何%占めているのかは正直誰もわかりません。
もちろん死のきっかけになったことは間違いないでしょうし、SNSによる個人への誹謗中傷が悪であることも十分理解しています。
しかし、木村花さんの死を受けて侮辱罪が厳罰化された結果、冒頭の例のように異常な逮捕が起きている現実があるわけです。

以前の記事で、ショッキングな事件があったからといって、軽々に法を作ったり改正するべきではないということを書きました。
ショッキングな事件があれば、人々は冷静な状態ではなくなります。
そんな冷静でない状態で作られた(あるいは改正された)法律が、正しいものになっているのかは疑問を感じざるを得ないのです。
9.11テロの後、ありもしない大量破壊兵器を問題視してイラク戦争まで突っ走っていったアメリカの政府や国民感情も、決して正しいものではなかったでしょう。

今後の日本は、政権を少し批判しただけで逮捕されるような恐ろしい国になってしまうかもしれません。
そんなことになれば、現在騒がれている自民党と統一教会の問題を追求することも不可能です。
果たして侮辱罪の厳罰化は日本をより良いものにする法改正だったのでしょうか?
ぜひ再考してもらいたいと思います。

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