シリーズ著作権問題を考える② 著作権の歴史と期限

社会
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世界で初めて著作権に類するものに対し明確に期限が設けられた際、その期間は2年でした。
その後、近代著作権の始まりとされるアン法が1709年にイギリスで制定され、著作権の期限は作品発表から14年、14年後に著作者が生存していた場合は1度だけ更新ができ、最大で28年間と定められます。
アメリカでもこのアン法に沿った法律が1790年に制定されますが、1831年に42年間(28年+延長14年)、1909年に56年間(28年+延長28年)と14年単位で期限は延びていき、1976年には映画『ミッキーマウス』の著作権が切れることを懸念し、発表から75年または著作者の死後50年と著作権の期限は大幅に延長されます。
更に再び『ミッキーマウス』の著作権期限が近づいた1998年には、発行から95年と制作から120年の短いほう、または著作者の死後70年と再び期限の延長が行われ、国際的にもこの死後70年が適用される流れとなりました。
日本でもTPP協定(環太平洋パートナーシップ協定)の兼ね合いで、2018年に著作権の期限が作者の死後50年から70年へと延長されました。(企業の著作権期限は発表から70年)

この死後70年という期限ですが、一般的に考えると著作者の孫の世代までも既に亡くなっているような時間の経過です。
つまり、会ったこともない先祖の著作物を子孫が相続するようなケースも普通に起こり得るということになります。
『著作権は誰のためにあるのか?』という、著作権の根本的な考えに沿った場合、当然それは著作者のためあるものであり、孫より下の世代のためにあるものとは到底思えません。
作者の死後70年という著作権の期限は、特許の国際的な期限である20年と比べても明らかに長過ぎるのではないでしょうか?

個人的に著作権(個人の著作権)は、著作者が亡くなった時点で消滅でいいと思います。
本来、著作物は子供や兄弟とは関係がないのですから、相続するような性質のものではないはずです。
死亡と同時消滅だと様々な問題が生ずるかもしれないので、多少の時間的猶予はあっていいかもしれませんが、それはせいぜい死後数年程度でしょう。

そもそも、著名な作家、作詞家、作曲家、漫画家などは生前に十分なほどお金を稼いでいるわけですから、それにプラスして著作権まで相続しようというのは図々しい話です。
上記したミッキーマウス(ディズニー)の例を見ても明らかですが、現在の著作権における状況は、著作権で財産と権力を得た人間や企業が、選挙の争点になりづらい著作権問題を自分たちの有利なほうへと導いた結果と言えます。
アメリカの著作権などは、『ディズニー法』や『ミッキーマウス保護法』とまで揶揄されているほどです。

特許の期限が20年で切れるのは、『技術は個人や1つの企業・組織が独占するのではなく人類で共有するべき』いう概念があるためです。
であるのなら、著作物も同じようにあまり長く個人が独占する状況は好ましくなく、ましてや子孫に相続されるような性質なものとは到底思えません。
いずれにせよ、発表から14年または28年だった著作権期限が死後70年まで延びてしまった現在の状況は明らかに異常です。

人類が今日まで文明を発展させてきたのは『情報の共有』があってこそなのですから、今一度、著作権の問題について人類は考え直す時期が来ていると思います。

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