21世紀は、想像していないことも現実的に起こり得るということを、まざまざと知らしめられる時代と言えます。
2001年の9.11テロ、2011年の東日本大震災、そして現在起こっている新型コロナウイルスの流行、いずれも自分が生きている間に起きるなんて全く想定もしていなかった暗い暗い出来事です。
しかし、ひょっとしたら自分が生きている内にもっと大きな出来事が起きかもしれません。
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先日、大統領選挙の結果に納得しないトランプ大統領の支持者が連邦議会議事堂へ強行突入し、死亡者が出るというショッキングなニュースがありました。
民主主義の宗主国とまで言わたアメリカで、選挙の敗北を認ずに大勢の人が連邦議会の総本山に突入というニュースは時代の大きな変化を感じさせます。
この連邦議会議事堂突入事件が起こった背景は、選挙で負けたはずのトランプ大統領が敗北宣言を行わなかったことが大きいと思われます。
アメリカの大統領選挙では、開票結果を待たずに共和党候補者と民主党候補者の片方に大手メディアの落選報道が出された時点でその候補者が敗北宣言を行い、選挙が決することが慣例となっています。
長い間、二大政党制のもと政治を行ってきたアメリカでは、大統領選挙の際は国民の気持ちがもっとも二分化しやすい状況に陥るため、敗北した側の候補者が支援者の気持ちを抑える必要があるのでしょう。
しかしトランプ大統領はこの敗北宣言を行わず、多くの混乱を招いているのです。
では、ここで最近行われたアメリカ大統領選挙の結果を御覧ください。
※右が共和党候補、左が民主党候補
2000年大統領選挙 | ||
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候補者 | ジョージ・W・ブッシュ | アル・ゴア |
得票率 | 47.87% | 48.38% |
獲得選挙人 | 271人 | 266人 |
2004年大統領選挙 | ||
候補者 | ジョージ・W・ブッシュ | ジョン・ケリー |
得票率 | 50.73% | 48.28% |
獲得選挙人 | 286人 | 252人 |
2008年大統領選挙 | ||
候補者 | ジョン・マケイン | バラク・オバマ |
得票率 | 45.65% | 52.93% |
獲得選挙人 | 173人 | 365人 |
2012年大統領選挙 | ||
候補者 | ミット・ロムニー | バラク・オバマ |
得票率 | 47.20% | 51.06% |
獲得選挙人 | 206人 | 332人 |
2016年大統領選挙 | ||
候補者 | ドナルド・トランプ | ヒラリー・クリントン |
得票率 | 45.93% | 48.02% |
獲得選挙人 | 306人 | 232人 |
2020年大統領選挙 | ||
候補者 | ドナルド・トランプ | ジョー・バイデン |
得票率 | 46.86% | 51.31% |
獲得選挙人 | 232人 | 306人 |
多くの人は、今回の大統領選挙は大接戦で、負けたはずのトランプ大統領が納得できずにいると考えていると思います。
しかし実際は、得票率で見れば過去6回の大統領選挙中、歴史的な勝利となった第1期オバマ大統領に次ぐ大きな差でトランプ大統領は負けています。
現実的に大統領を決める獲得選挙人の数も大差の負けです。
つまりトランプ大統領は今回の大統領選挙で大敗しているのです。
接戦に見えたのは、新型コロナウイルスの関係で開票が遅れ激戦区の結果がなかなか判明しなかっただけで、上記のデータを見ればトランプ大統領の大敗は明確と言えます。
こんなレベルで敗北を認めないというのなら、過去の大統領選挙で負けた共和党と民主党の候補者は全員敗北など認められません。
トランプ大統領支持派は、新型コロナウイルスの影響で増えた郵便投票にバイデン次期大統領側の不正があったと主張をしていますが、そもそもなぜバイデン次期大統領が不正をしてトランプ大統領が不正をしていないという発想が生まれるのでしょうか?
過去の言動や行動を考慮すれば、トランプ大統領のほうがよっぽど不正を行いそうな気がします。
以上のように、大統領選挙に関するトランプ大統領の主張は滅茶苦茶もいいところなのです。
今までのアメリカなら、こんな大統領は国民から総批判をされたのですが、なぜかトランプ大統領には強い支持派が形成され、今回のような大きな事件まで起きる事態となっています。
しかし滅茶苦茶なことを言う人が支持されるという現象は、アメリカだけではなく日本を含め世界的に起こっているようにも見えます。
こういったことが起きる要因は様々あるでしょうが、近年、世界がおかしい方向へと向かっていることだけは間違いありません。
ナチスのヒトラーですら首相就任当時はドイツ国民から大きく支持されたほどですから、民衆が危うい人物を支持してしまう危険性は常にあるわけです。
そして新型コロナウイルスの影響で報道の扱いは小さくなりましたが、中国が香港の民主化活動家に対して行った対応はひどいの一言です。
政治や民衆の思考・行動がおかしい方向へ進んだ末に行き着く先は戦争しかありません。
民主主義の宗主国とされてきたアメリカ、経済成長し国際社会の一員に加わると思われた中国、この2つの大国がこんなにもひどい状況に陥っているということに、私は大きな戦争の可能性を感じざるを得ないです。
自分が生きている間に起こるとは思っていなかった大規模なテロ事件、大津波を伴う巨大地震、世界的な感染症の流行は、全て現実的に起こりました。
こういった事実を踏まえると、自分が生きている内に日本が戦争に巻き込まれるようなことも、絶対にないとは言い切れない時代に突入してきたと思えてきます。
以上、人類は一度冷静になり、過去の反省を踏まえた正しい未来の構築を真剣に考えるべきかと思います。
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