将棋界に長らく君臨する羽生世代についてまとめました。
羽生世代とは?
主に羽生善治と同じ学年と、羽生善治の1学年上の佐藤康光と同じ学年の強豪棋士を指す言葉で、将棋界で後にも先にもないであろう超強豪棋士が過度に密集した世代である。
この羽生世代は、谷川浩司以外の上の世代をあっという間にタイトル戦から葬り去り、下の世代は永世竜王を獲った渡辺明とタイトル5期獲得の久保利明以外ほとんどタイトルに寄せ付けないという状況を作り出している。
羽生世代の盟主
羽生世代の名前の由来にもなっている羽生善治その人である。
羽生善治
生年月日:1970年9月27日
タイトル歴:95期
タイトル戦登場:128回
棋戦優勝:44回
☆十九世名人資格保持者
☆永世王位資格保持者
☆名誉王座資格保持者
☆永世棋聖資格保持者
☆永世王将資格保持者
☆永世棋聖資格保持者
圧倒的な戦歴を誇る将棋界最高のレジェンド。
得意戦法を持たないオールラウンダーという新境地を築き上げ、次々とタイトルを重ねる。
また、感想戦などで自分が考えた作戦などをライバルたち包み隠さず公開し、同世代全体の棋力向上にも貢献、その結果将棋界に類を見ない『羽生世代』という同世代の強豪棋士集団を形成することとなる。
2人の永久称号資格者
羽生善治のライバルにして、若手時代共に研究した盟友。
羽生善治が将棋棋士となった当時の将棋界では、研究は個人でするものという風潮があったが、その風潮を破り島朗が若手3人(羽生善治、森内俊之、佐藤康光)を集め研究会(通称:島研)を始めた。
その若手3人は、後に全員が七大タイトルの永世称号を得ることとなり、『羽生世代』の礎にもなっている。
森内俊之
生年月日:1970年10月10日生まれ
タイトル歴:12期
タイトル戦登場:25回
棋戦優勝:13回
☆十八世名人資格保持者
羽生善治とは小学生からのライバルで、羽生に先んじて永世名人の資格を得た。
名人戦・順位戦に滅法強い。
佐藤康光
生年月日:1969年10月1日
タイトル歴:13期
タイトル戦登場:37回
棋戦優勝:11回
☆永世棋聖資格保持者
羽生世代の中では、羽生に次ぐ戦歴を誇る強豪棋士。
羽生より1学年上で、『羽生世代』を『羽生・佐藤世代』と呼ぶこともある。
3人の複数タイトル保持者
永世称号保持者以外にも、複数回タイトルを獲得している人物が3人もいる。
郷田真隆
生年月日:1971年3月17日
タイトル歴:6期
タイトル戦登場歴:17回
棋戦優勝:7回
史上初めて四段(プロ棋士の最低段位)でタイトルを獲得した人物で、その後もコンスタントにタイトル戦に登場している。
丸山忠久
生年月日:1970年9月5日
タイトル歴:3期
タイトル戦登場歴:9期
棋戦優勝:12回
羽生世代の中では遅咲きで、羽生とほとんど関わることのない棋士生活を送っていたが、着実に成績を上げていき名人位を2期獲得するまでに成長する。
藤井猛
生年月日:1970年9月29日
タイトル歴:3期
タイトル戦登場歴:7期
棋戦優勝:7回
序盤研究に定評があり、自身が考案した『藤井システム』は将棋界に革命を起こす。
羽生世代の中では最も遅咲きで、本格的に将棋を始めたのは中学生になってからである。
忘れてはいけない強豪棋士
先崎学
生年月日:1970年6月22日
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:-
棋戦優勝:2回
羽生や森内と同学年で、小学生時代は2人以上の天才として有名であった。(小学5年生で奨励会5級入り)
タイトル挑戦歴はないが、順位戦A級、竜王戦1組の経験者である。
畠山鎮
生年月日:1969年6月3日
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:-
棋戦優勝:-
タイトル挑戦歴や棋戦優勝歴がないため、羽生世代として挙げられることは少ないが、佐藤康光と同学年の強豪棋士で、年齢を重ねても棋戦の高クラスを維持している。(双子の兄も将棋棋士である)
順位戦B級1組、竜王戦1組経験者。
病に散った伝説の棋士
村山聖
生年月日:1969年6月15日(1998年8月8日没)
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:1回
棋戦優勝:2回
奨励会時代は、『東の羽生、西の村山』と称された羽生のライバル。
幼少の時から難病・ネフローゼを患っており、順位戦A級、竜王戦1組在籍のまま、29歳の若さで亡くなっている。
アマチュアからプロへ編入された希少の棋士
瀬川晶司
生年月日:1970年3月23日
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:-
棋戦優勝:-
奨励会を年齢制限で退会後アマチュアの強豪として大活躍し、61年ぶりにプロに編入した非常に稀なプロ棋士。
彼もまた羽生世代の一人である。(佐藤康光と同学年)
羽生善治の1学年下にも強力な棋士が
深浦康市
生年月日:1972年2月14日
タイトル歴:3期
タイトル戦登場歴:8回
棋戦優勝:9回
羽生善治より1学年下の強豪棋士。
順位戦での運が悪いことが有名である。
屋敷伸之
生年月日:1972年1月18日生まれ
タイトル歴:3期
タイトル戦登場歴:7回
棋戦優勝:2回
羽生善治より1学年下の強豪棋士。
羽生善治が作った最年少タイトル記録を1年後で更新した(18歳6ヶ月)早熟の棋士。
画期的な戦法を考えた棋士も
中座真
生年月日:1970年2月3日
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:-
棋戦優勝:-
中座飛車の開発者
近藤正和
生年月日:1971年5月31日
タイトル歴:-
タイトル戦登場歴:-
棋戦優勝:-
ゴキゲン中飛車の開発者
※深浦、屋敷と同学年
羽生世代のタイトル独占率
棋聖戦が年1期になり、羽生が七冠を独占した1995年より記載します。
1995年度:7/7(内訳:羽生⑦)
1996年度:5/7(内訳:羽生⑤)
1997年度:4/7(内訳:羽生④)※屋敷①
1998年度:7/7(内訳:羽生④、佐藤①、郷田①、藤井①)
1999年度:6/7(内訳:羽生④、佐藤①、藤井①)
2000年度:7/7(内訳:羽生⑤、藤井①、丸山①)
2001年度:7/7(内訳:羽生④、丸山①、郷田①、佐藤①)
2002年度:6/7(内訳:羽生④、丸山①、佐藤①、森内①)
2003年度:5/7(内訳:羽生②、森内②、佐藤①)
2004年度:6/7(内訳:羽生④、森内①、佐藤①)
2005年度:6/7(内訳:羽生③、森内②、佐藤①)
2006年度:6/7(内訳:羽生③、佐藤②、森内①)
2007年度:5/7(内訳:羽生②、佐藤②、森内①)※深浦①
2008年度:4/7(内訳:羽生④)※深浦①
2009年度:3/7(内訳:羽生③)※深浦①
2010年度:3/7(内訳:羽生③)
2011年度:5/7(内訳:羽生②、佐藤①、森内①、郷田①)
2012年度:4/7(内訳:羽生③、森内①)
2013年度:5/7(内訳:羽生③、森内②)
2014年度:5/7(内訳:羽生④、郷田①)
2015年度:5/7(内訳:羽生④、郷田①)
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