7月も中盤に入り夏本番ですが、皆さんは熱中症対策をしっかりしているでしょうか?
また、熱中症対策をしているという人の中に、以下のような商品を使っている人はいないでしょうか?
ズバリ言いますが、これらの商品は熱中症の対策にはなりません。
そもそも、体を冷やす効果すらありません。
実は、これら商品に含まれているメントール(正確にはL-メントール)という成分が、感覚的に冷たいと誤認識させているだけなのです。
↓メントールの説明
メントールを皮膚に接触させると冷やりとした感覚を得る。これは実際に温度が低下するためではなく、冷感を引き起こすTRPM8と呼ばれる受容体活性化チャネルをメントールが刺激することによる。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/メントール – Wikipedia
これらの商品について、メーカーはある程度の効果があると言っていますが、それもまやかしでしかありません。
メントールが使われている物の代表に湿布がありますが、この湿布に関して面白い実験結果があります。
その実験とは、冷湿布と温湿布を貼り、その場所の温度変化をサーモグラフィーを使って調査するというものでした。
結果は、
冷湿布で3℃
温湿布で2℃
表面温度が下がったとのことです。
この結果を見て、温度が下がっているのなら効果あるじゃんと思った人もいるかもしれませんが、問題は温湿布でも温度が下がっていることです。
表面温度の低下は、湿布に含まれた水分によるもので、気化熱により表面温度が低下したのです。
なので、温湿布でも表面温度は下がります。
1℃の温度変化の違いは、冷湿布のほうが水分量が多いからと思われます。
湿布の水分による表面温度の低下は最初だけで、すぐに効果はなくなります。
長く冷たいと感じるのは、メントールによる誤認識によるものなのです。
むしろ時間が経つと熱が篭ってしまい逆効果だと言われています。
結局、上記商品の効果とは濡れタオルと一緒(水分量を考えると濡れタオルよりだいぶ効果が低い)なのですが、メントールのせいで水分が温まっていることに気づかないため、逆効果になっている可能性も考えられるのです。
では、病院でもらう湿布も効果はないのでしょうか?
実は、通販などでは買えない医療用の湿布にはある程度の効果があります。
ただしそれは、湿布の中に鎮痛剤が消炎剤が入っているためで、冷えているからではありません。
鎮痛剤などは一時的な打ち身や捻挫には効果的ですが、肩こりなどの慢性的な問題にはあまり適切ではなく、そもそも鎮痛剤なら飲み薬の方が効果が高くなっています。
湿布などには精神的な効果はあるかもしれませんが、患部を冷やしたいのなら保冷剤などを使うべきで、鎮痛や消炎の効果なら飲み薬の方が効果的です。
このメントールは生成が容易かつ比較的安全なため、
制汗剤
ヘアトニック
汗ふきシート
ボディソープ
歯磨き粉
目薬
などといった様々な商品に使われています。
これらの商品は、本来の効能にプラスして冷感やクールなどと書かれ、冷やす効果を謳っていますが、そんな効果はもちろんありません。(ただし本来の効能は普通にあると思われる)
夏用の入浴剤にもメントールは使われていますが、普通に考えて熱いお風呂に冷感の入浴剤を入れたからといって体が冷えるわけもありません。
ということで、これらの商品を使い体が冷えている気になり、逆に熱中症などにならないようお気をつけ下さい。
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