三人麻雀と四人麻雀の運要素はどちら高いのか?

麻雀の競技性
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麻雀は通常4人で行うゲームですが、萬子牌の2~8を抜いて3人で行う麻雀(三人麻雀あるいは三麻)も関西を中心に行われています。
最近はネット麻雀の普及もあり、多くの麻雀ファンに三人麻雀が浸透してきているようです。
この三人麻雀については、

初心者は高い手が出来て楽しいと感じ、
中級者は運要素が高いルールだと感じ、
上級者は1番実力が出るルールだと感じる

と言われますが、実際に四人麻雀と三人麻雀のどちらが実力勝負(運要素が低い)のでしょうか?
このことについて、対戦相手との勝負の部分と手牌進行の部分に分けて考えていきます。

まずは対戦相手との勝負の部分についてです。
麻雀の運要素が高い最大の理由は、弱い人が強い人に勝ててしまうことにあります。
この点については、ほぼ確実に三人麻雀のほうが実力勝負になるはずです。

以前、4人勝負であることが麻雀の運要素を高める理由になっているとの記事を書きました。
一方、多くの競技(野球やテニスなど)は、2人あるいは2チームで勝負をしています。
こういった1対1の競技は、自分が勝利に近づくことが相手の敗北に近づくこととイコールなので、実力が反映されやすいのは必然です。
しかし、麻雀のように同時に対戦する人数が多くなると勝負の綾が生まれやすく、運が反映されやすくなります。
例えば、自分以外の誰かが満貫を出和了りするとします。
1対1なら支払いするのは当然自分となり、尚且つ唯一の対戦相手に点棒を渡すことになるのですからマイナス面はとても大きくなるわけです。
これが4人対戦なら、自分以外のところで点棒の授受が行われることも多々あるため自分のマイナスにはならず、それどころかラスの人がトップの人から満貫を出和了りして自分がトップに躍り出るようなことも十分あり得ます。
相撲のような実力が十分反映される勝負でも、4人同時で戦ったら何が起こるか分からないのです。

麻雀の半荘勝負で1度も和了らず1度も放銃せずに終わったということは、四人麻雀ならそこそこあると思います。
もちろん振り込まないことも実力ですが、点棒的には何もしていないに等しく、その半荘内で自分の実力を示せたのかどうか疑わしくなってきます。
これが三人麻雀になると人数が1人少ない分だけ勝負の綾は減り、より実力が示しやすくなるのは当然の話なのです。

また、これは手牌進行とも関わってきますが、三人麻雀では対戦相手がしようとしていることがかなり読めるため実力勝負になりやすくなります。
例えば、自分の手牌に索子がいっぱいあれば他の人の手牌には筒子が多くあるわけで、捨て牌などの情報も含め他者の狙っている手や危険牌がかなり絞リ込めます。
これが四人麻雀なら、自分の手に索子がいっぱいあっても他の3人で萬子と筒子を分け合っている可能性のほうが高く、そんな簡単に相手の手を絞り込むことは出来ません。
そのため、四人麻雀では自分の都合で打牌する場面が多くなり、上級者と初心者の差が生まれにくいのです。
このように、三人麻雀では人数の少なさに加え牌も少なくなっているため、上級者は他の2人がしようとしていることをかなり深い部分まで読みとれ相手に対応した打ち方が可能となり、上級者同士の対局ではそれが求められます。
これが三人麻雀において上級者と初心者の差が出やすくなるもう1つの理由です。

間接的な話としては、三人麻雀は四人麻雀よりも局数が少なく後述する理由で1局自体も早く終わるので、半荘にかかる時間をかなり短縮化することができ、その分、回数をこなすことが可能となります。
回数をこなせば運要素が平準化してくるので、この点についても三人麻雀のほうが運要素を下げやすくなるわけです。

続いて、手牌進行について考えます。
麻雀とは、牌の重なりやくっつきを争うゲームです。
使う牌が少なければ、この牌の重なりやくっつきは当然起こりやすくなります。
そのため、萬子の2~8を使わない三人麻雀は四人麻雀よりも役が出来るまでのスピードが早く、また難しい役(点数の高い役)が出来やすく、更には役も重なりやすくなります。
つまり3人麻雀は、ゲームの展開が速く、点棒のやり取りも激しくなるわけです。
また牌が少ない分、手にドラ(裏ドラ含む)が入る確率も向上します。
これに加え、北を抜きドラにする制度もあり、ドラの数自体も多くなっているのです。(ルールは雀荘などによって様々であるが、主要なネット麻雀は北の抜きドラを採用している)

四人麻雀しかしない人からすると、三人麻雀は展開が早すぎ点数が高すぎると感じることでしょう。
三人麻雀にはチーが出来ないという制限があるものの、展開が早くなれば配牌運やツモ運の要素が大きくなるため、手牌進行については四人麻雀よりも三人麻雀のほうが基本的に運要素が高くなります。
ただ1つ考慮しなければいけないことは、三人麻雀では清一色や混一色、あるいはそれに準ずるような手が出来やすく、牌効率が複雑になる傾向があるという点で、こういった面では初心者と上級者による手牌進行の技術に差が生まれやすいのかもしれません。
点数が高くなりやすいことについては、通常なら運要素を高める(誰か浮くと逆転が難しくなる)のですが、三人麻雀のように常に高い役が出来やすい状態になると、誰かが浮いてもギリギリまで逆転チャンスがあるので運要素が上がっているとは言い切れず、むしろ下がっている可能性もあります。

トータル的に考えれば、人数が1人減る効果が大きいため、四人麻雀よりも三人麻雀のほうが実力が出やすいことはほぼ間違いないと思われます。
以下の対戦成績をご覧ください。

これは、当記事を書き進める上での実証として、私自身がネット麻雀の雀魂で初心者を相手に三人麻雀を半荘20回打った結果です。
半荘20回は実力が示せる回数ではありませんが、それでもこれほどの成績が残った事実は見過ごせません。
私の麻雀の実力を考えれば、三人麻雀の得意なプロ雀士ならもっと良い成績が残せるはずです。
この平均1.5位という成績はを四人麻雀に換算すると1.875位となり、大まかに以下のような成績となります。

1位:10回
2位:5回
3位:3回
4位:2回
平均:1.85位

正直、相手が初心者かつ運の偏りで好調が続いたとしても、私の実力では四人麻雀でこの成績が出ることは考えられないのです。
もちろん何回も繰り返せばこういった成績は出るかもしれませんが、上記した三人麻雀は軽い気持ちで試しに打っただけでやり直しなどはしていないですし(そもそもそんなに雀魂のアカウントは作れない)、実際に初心者の打ち筋に対しては高確率で対応可能でした。
以上のように、三人麻雀は四人麻雀よりも実力差が生まれやすいと考えられます。
そしてその理由は、『対戦する人数が少ないから』という説明で事足りるぐらい人数が減る効果が大きいと想定されます。

三人麻雀ではチーが出来ないと説明しましたが、もしチーが出来たら、スピードが早すぎて多くの人が『これはもう麻雀じゃない』と思うかもしれません。
更にチーは上家からも下家からもOKとし、おまけに中国麻雀でOKだったフリテン・待ち変え・鳴き平和もありとしましょう。
ついでに赤ドラは5筒と5索だけではなく、1萬、1索、1筒、9萬、9索、9筒にも1つずつ入れるとします。
さすがにここまでくると、ほとんどの人がスピードが早く点数のインフレも激しいため『これはもう麻雀じゃない』と思うのではないでしょうか?

実は、現在の日本で広く行われている赤ドラありのリーチ麻雀も、既にこのスピードが早く点数がインフレ状態になっている可能性があるのです。
一発・裏ドラや赤ドラが一般化して以降、麻雀は明らかに早く高くと変化しています。
今のルールで打つことが当たり前になりすぎ誰も気付かないだけで、現在の麻雀のルールは既に大きな問題を抱えているように感じます。
これは運要素の高さにも繋がってくる問題であり、競技化された麻雀ではルールの是正が必要だと考える次第です。

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