麻雀普及の障害③ 初心者無視の放送形式

麻雀界の話
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麻雀普及の障害を考える3回目は、麻雀の中身ではなく麻雀放送に関することを議題にしたいと思います。

将棋や囲碁などの頭脳系競技は、競技者の視点と視聴者の視点に大きな違いはありません。
これは、将棋や囲碁が完全情報ゲームという情報が完全に開示されているゲームであるためです。
一方、麻雀やトランプゲームの多くなどは不完全情報ゲームという情報が完全に開示されていないゲームなので、競技者と視聴者の視点が違うことになります。
麻雀放送における視聴者の視点は、言わば神の視点です。(全体局者の手牌が見える)

前々からずっと感じていたのですが、この神の視点を用いた麻雀の放送って初心者を無視し過ぎではないでしょうか?
最近は麻雀放送を見る機会がめっきり減っている(理由はこちらから)ので直近の事情は分からないのですが、私が知る限り、麻雀の放送は何十年も前からほとんど変わらない放送を続けています。(注:当記事は2020年にほぼ書き終えていたものなので直近の状況はあまり加味されていません)
以前、『THEわれめDEポン』というフジテレビで放送されていた芸能人による麻雀対決の初回放送について記事にし、これが私の記憶にある最初の麻雀放送なのですが、その放送から27年近くの時が過ぎているのに麻雀の中継方法はほとんど変わっていません。
ツモした人の手牌をカメラを切り替えながら次々と映していき、たまに対局者の顔がアップされたりするという麻雀放送を観たことがある人なら誰もが知っているであろう例の方式です。

この方式、ハッキリ言って初心者は完全についていけないと思います。

僅か数秒で切り替わる麻雀の手牌を4人分理解し、更に捨て牌や鳴き牌を確認、そこから導き出される各プレイヤーの狙いや危険牌の状況を4人分把握するなんて麻雀初心者に可能でしょうか?
それに加え、たまに映る対局者の表情までも確認して心理状態まで読み取らなければならないなんて、役満並みに難易度が高すぎます。
そんなこと、麻雀の上級者か、麻雀の実力はそこまでないけど麻雀放送だけは見慣れているという存在するかしないかも分からないような人しか理解出来ないはずです。
こういった初心者無視の麻雀放送が、麻雀普及の障害になっている可能性もあるわけです。

将棋には観る将という将棋放送を観る専門のファンがおり、藤井聡太五冠の登場で将棋が一般メディアから注目されて以降、特に増えたと聞きます。
これは視点の問題だけではなく、プロ棋士が手を指すのに相当時間を使っているという事情が原因と考えられます。
タイトル戦などになると、場合によっては1手指すのに1時間以上かかることもあるため、解説者は話すことがなくなるくらいしっかりと解説してくれるので初心者でも十分難しい対局内容を理解することが出来るのです。
最近は将棋ソフトのレベルも上がっているので、パソコンがあれば自分で手の研究をしながらプロ棋士の対局を楽しむことも可能になっています。
いずれにせよ、深い研究が必要な頭脳系競技では、プロが素人よりも大幅に時間をかけて戦うことが一般的なので、観る側に時間的な余裕がかなりあるわけです。

一方、麻雀は素人とプロの打つ速度に大きな差はありません。
視点が普段と違って情報量は4倍になっていることに加え、手が進むテンポも早い麻雀では時間をかけて解説することも不可能なため、初心者が置いてけぼりになってしまうのです。
テレビ放送による麻雀中継は仕方ない部分もありますが、ネット中継の場合は今の技術を使えば工夫次第でいろいろな中継方法が可能になっているのではないでしょうか?
例えば、自分の好きな競技者目線で対局を観たり、観る側が様々な画面選択を行えるようにしたり、あるいはカメラの切り替えではなく画面分割するなど、様々な麻雀放送の手法があってもいいかと思います。
こういった試行錯誤をせずに数十年も同じような中継方法を続けていることが、麻雀ファンがなかなか増えない原因の1つと考えられます。

予算などの問題もあるかもしれませんが、麻雀の中継をする側には麻雀の普及面も考慮した麻雀方法の模索をもう少し探ってほしいものです。

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