競技麻雀には1つ大きな問題があります。
それは目無し問題です。
競技麻雀においてはトップしか意味がないという対局がよくありますが、そういった対局で最後の親番が終わってしまうと、高い手を目指すしか逆転の望みがなくなってしまう“ほとんど勝ち目のない状況”に陥ってしまい、これを目無し問題と言います。
場合によっては、ひたすら役満を目指すような麻雀を何局も繰り返さざるを得なくなることすらあります。
これは麻雀の質が大きく変わってしまいますし、親番が後ろのほう(特にラス親)が有利になりやすいという不均等も生まれてしまうのです。
この目無し問題は、タイトル戦の決勝戦終盤などといった重要な局面で現れるので、特に始末が悪い問題と言えます。
各プロ麻雀団体やリーグ戦なども目無し問題の解決を考え、多井隆晴プロが代表を務めるRMU(リアル麻雀ユニット)では、トータルトップの人が和了らない限り終了しないというルール(和了った次点でトータルトップなら終了)を採用しています。
麻雀の目無し問題を解決するのなら、一層のこと点棒のやり取りをやめて、先に○万点獲得した人が勝ちみたいな勝負にしたほうが分かりやすいのかもしれません。
麻雀プロ団体のタイトル戦決勝戦は運要素が極めて高い短期決戦が多いため、点棒のやり取りも半荘の区切りもやめて、先に10万点や20万点を獲得した人が勝ちにしたほうが運要素も減るように感じます。
ただ、この場合は親の回数が多い起家が有利になってしまうので、親は廃止したほうがいいでしょう。
しかしここまでのルール変更は、なかなか受け入れられない人が多そうです。
そもそも目無し問題は、トップにしか意味がないことが原因となっています。
だったら、2着や3着にもそれ相当の価値を持たせれば、問題は解決に向かうはずです。
現在における麻雀界のタイトル戦は、賞金総額が100万円ならトップの総取りか、良くても、
1着:60万円
2着:30万円
3着:10万円
4着:0円
程度なものになっている思います。
それを、
1着:40万円
2着:40万円
3着:20万円
4着:0円
と変えれば、2着や3着を目指す人も増えるはずです。
この表を見て、1着と2着に差がないのかと思った人も多いでしょうが、これぐらい2着を価値を上げないと、みんなタイトル獲得という栄誉を目指して1着を狙ってしまうのが現状だと思います。
しかし、こういった対策は賞金のかかっているような状況でしか行えず、その他の1着しか価値のない状況には全く効力を発揮しません。
2着が勝ちになれば、麻雀における運要素が大幅に低くなると思われます。
まず1人浮きという状況は絶対的に起こらないはずです。
なにせ、そんなことをしたら勝ち(2着)から遠ざかるのですから、配牌で役満を聴牌していても和了りを目指しはしないでしょう。
つまり、配牌やツモの良さという麻雀における最大の運要素は、ほとんど意味をなさなくなるのです。
二着麻雀では単純に和了りを目指してはダメで、かなり戦略を練って戦わないと勝つことは不可能です。
ただ、このままのルールでは誰も和了らず流局を繰り返すだけになってしまう可能性が極めて高いため、最低2回は和了らないと終了しないみたいなルールを加える必要があります。
和了り回数が1回だとオーラスだけで点数調整をしようとし、結局は誰も和了らない状況になると思われるので、半荘終了時に2着の人が2回以上和了っていなければ次局に突入などのルールを採用する必要がありそうです。
麻雀の質は最初に書いた○万点を獲得するルール以上に変わってしまいますが、これはこれで結構面白そうなので、プロ雀士による二着麻雀の対戦を見てみたいものです。
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