近年、AIの発展が著しく、麻雀ソフトの実力も大幅に向上しています。
将棋や囲碁などの運要素がほとんどないゲームでは既にAIソフトと人の実力に圧倒的な差が付き(ソフトのほうが強い)、難しい局面でソフトが示すような手をどれだけ指せる(打てる)かが、プロなどの強豪棋士における強さのバロメーターにすらなっており、日夜ソフトを使って勉強することが当り前となっています。
将棋や囲碁よりも複雑でないチェスやオセロは、かなり前からソフトの実力が人類を超えソフトを使った勉強の歴史も古く、ソフトより人間のほうが強いなどと考える人は既に皆無の状況です。
麻雀は情報が完全に開示されていないゲームで駆け引きなども勝負の行方に左右されるため、まだソフトが人類を超えたとは言えないようなのですが、一部のソフトはネット麻雀大手の天鳳でトップレベル(十段)の成績を残すなど、既に最高クラスのプロ雀士と同等レベルの実力があると言われています。
近年におけるAIの発展度を考えれば、将棋や囲碁のように人間の実力を遥かに超えた麻雀ソフトが現れるのも時間の問題と考えられます。
ここからは仮の話ですが、誰がどう見ても人類の実力を超え、多少のルールの違いにも対応可能な麻雀ソフトが誕生したとしましょう。
そういった人間を遥かに凌駕した実力を持つ麻雀ソフトと、何かの企画でトッププロ3人がプロ団体のタイトル戦と同程度の20半荘で戦ったとします。
その勝負で人間側が勝利しソフトが最下位となった場合、現在の麻雀界は『麻雀ソフトの実力はまだまだで人間のほうが強い』と考えるのでしょうか?
それとも『20半荘程度では実力が反映されない』と考えるのでしょうか?
残念ながら、現在の麻雀界は前者の考えをしそうな気がします。
この問題をどう考えるかは、競技麻雀における大きな分かれ目になると私は考えています。
つまり、麻雀界が麻雀の運要素の高さと真剣に向き合う良い機会になると思っているわけです。
麻雀を続けていると、20半荘ぐらいはどうしようもなく絶不調(運が悪い)の時期があるますし、逆に絶好調(運が良い)のこともあります。
以下の画像をご覧ください。
Author:Baltakatei CC BY-SA 4.0
点が集中している場所と、全然ない場所があるように思えませんか?
実際は200×200の正方形に1サイズのドットがランダムに800個配置されただけで、点の集中しているのは偶然でしかありません。
これは運を視覚的に分かりやすくしたもので、麻雀に限らず運の良さ悪さはこれぐらい偏るのです。
このドットの集中度合いが、麻雀におけるあらゆる偏りと言えます。
配牌運、ツモ運、ドラが入るかどうか、ツモ和了り出来るか、裏ドラが乗るかなどなど、こういったゲーム上の運の偏りが勝ち負けの偏りにも繋がります。
このような運要素の高い麻雀の勝負を、20半荘という少ない回数で決めていい訳がありません。
AIが発展することでこういったことがどんどん明確化され、麻雀界は様々な変革が促されるはずです。
AIの発展に麻雀界(競技麻雀界)がどれだけ対応出来るかが、これから先、麻雀が(将棋や囲碁レベルに)競技化出来るのかという問題に大きな影響を与えると思われます。
最後に、オセロの強豪プレイヤーである中森弘樹さんのコンピューター(AI)に対する言葉を紹介したいと思います。
コンピュータが人間を超えたことでゲームとしてのオセロの娯楽性は大きく失われたものの、オセロのゲーム性は「最善手という真理を人間が追求する」方向から「コンピュータの弾き出す真理を人間が資源として活用する」方向へ変質したのであり、人工知能は人間同士の駆け引きを決して奪ってはいない
引用:コンピュータ将棋 ‐ Wikipedia
以上、麻雀界もエンタメ志向の強い現在の状況から、最善手の真理を追求する頭脳競技になって欲しいものです。
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