麻雀の運要素を減らすことを考える第2回目は、親の連チャンについて考えたいと思います。
まず親の優位性についての確認です。
説明するまでもなく、親は自分の和了りが1.5倍になります。
子がツモった時は他の子の2倍払うリスクがあるのでマイナス面もそれなりに大きいと思いがちですが、子のロンの場合は点数に影響がないので、プラス面の方が遥かに大きいわけです。
よく分からないという人のために、満貫を例に説明します。
親の満貫和了りは、ツモであろうとロンであろうと8000点から12000点へと4000点増額されます。
自分が親のときに子が和了った場合は、ツモの場合は2000点が4000点に2000点の増額ですが、ロンの場合は全く影響がありません。
以上のように、麻雀の親はマイナス面よりプラス面のほうが遥かに大きくなります。
では、本題に戻って親の連チャンについて考えます。
半荘1回の勝負が76%運で決まるというのは以前の記事で説明しましたが、1局だけの勝負なら運要素は更に上がり、もはやほぼ運のみで勝ち負けが決まると言っても過言ではありません。
つまり親が連チャンできるかどうかという要素のほとんどは運で支配されているわけです。
人によって親の回数が変わるというのは公平性を欠くわけで、その親の回数をほとんど運のみで決めていたら麻雀の運要素は高くなってしまいます。
このように親の連チャンという問題は麻雀の運要素に大きく影響を与えているのです。
この問題の、もっとも効果的な解決策は親の廃止です。
親と子をなくせば親の優位性そのものが無くなるので、問題は一気に解決します。
しかし、親にはマイナス面もあり、また親と子があることでの戦術も生まれるので、さすがに親の廃止まではしなくてもいい気がします。
となると、この問題の解決策は親の連チャンをなくすしかありません。
親の連チャンがなくなったら逆転のチャンスがなくなってつまらないと思う人がいるかもしれませんが、そもそもそれが競技というものです。
例えば、野球で7回以降は点数が倍、9回は更に倍とすれば逆転のチャンスが高まり試合が盛り上がるかもしれません。
しかし、1回で入れた1点と9回で入れた1点に何の違いがあるのかと言われれば何も違いがないわけです。
競技というものは、このような勝負に関わる公平性をしっかりと考えることが必要で、単に盛り上がるからといった理由でルールを決めるべきではないのです。
競技とは、最後の問題で必ず逆転チャンスがあるようなバラエティ番組のクイズとは違うのです。
少し話がズレましたが、麻雀は連チャンなしの半荘8回戦にしたほうが運要素は低くなるはずです。
そして、連チャンがなくなることで短縮された時間を使い半荘回数を増やせば、運要素を更に減らすことが可能になるでしょう。
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