加点式麻雀を再び考える

麻雀の競技性
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今回は、以前考案した点棒のやり取りをせずに加点だけで勝負する加点式麻雀について再び考えてみたいと思います。
この加点式麻雀は、目なし問題に関する記事を書きながらたまたま思い付いたもので当初は深く考えずに言及したのですが、考えを進めていくとかなり可能性を秘めていることが分かり以前に1度考察記事を書いています。
しかし、そのときは運要素に関する検証があまり出来ていませんでした。

↓以下の記事を読んでいない場合は、先に読んでからこの記事をご覧ください。

麻雀は加点だけを反映させたほうが運要素が下がるのではないか?
前回・前々回と、麻雀の点数計算を加点方式する案を簡単に書きましたが、面白そうなので更なる考察を加えまとめていきたいと思います。 まずここで言う加点方式とは、点棒のやり取りをやめ、和了った点だけを加点していく方式で、1番早く設定され...

加点式麻雀では、覚えたての初心者とレベルの高いプロ雀士が戦ってプロ側が負ける確率はかなり減ると思います。
そもそも、それを目的に考えたルールでもあります。
現在の麻雀ルールは点棒の行って来いになる影響で、役も完璧に覚えていないような初心者が喰いタン・ドラドラみたいな簡単な手を1回和了っただけでも半荘でトップになることが可能です。
しかし加点式麻雀では点棒の行って来いはなく加点するだけなので、喰いタン・ドラドラの1回の和了りでトップになることはほとんどなくなり、初心者が上級者に勝つことは難しくなります。
ただ、この上級者と初心者に対する運要素の問題が解決したからと言って、麻雀の運要素が解決出来たとは限りません。
なぜなら、上級者と初心者の戦いに対する運要素が下がっても、上級者と中級者の戦いの運要素が下がるとは限らないからです。

日本の麻雀(リーチ麻雀)が、振り込まない技術(捨て牌を読む技術)の向上により競技性が生まれているということは今まで何度も書いてきました。
リーチが入ってからの各対局者の動きの読み合いは初心者には難しく、麻雀において実力を示せる部分となっています。
リーチはテンパイをしていることを宣言すると共に1翻が加算され、更に裏ドラの可能性もあるので麻雀の上級者はリーチに対して自分の手が遅かったり想定される和了点が低かったりした場合は高確率で降りの選択をします。
一方の初心者は、捨て牌を読む技術がないのでリーチされても何も考えずに和了りを目指し、それを成就させてしまうケースもしばしばあるのです。
和了りだけを目指して何も考えずにテンパイしたら必ずリーチをするような初心者に対し、降り打ちに徹する上級者が負けてしまうということも現在の麻雀ではそれなりに起こり得るわけです。

そういった面からも和了ることだけに特化した加点式麻雀は上級者と初心者の差は生まれやすいのですが、和了る技術はそれなりにある中級者と上級者の差は逆に小さくなる可能性も考えられます。
麻雀は振り込まない技術よりも和了る技術を覚えるほうが遥かに簡単なので、中級者になると和了る技術で上級者との差はかなり小さくなり、降りや押し引きの技術があまり加味されない加点式麻雀では、却って実力差が示せなくなる可能性があるわけです。
まとめると、
・和了る技術に差がある上級者と初心者の戦いでは、振り込まない技術による勝負割合が低下する効果よりも、点棒の行って来いの問題のほうが大きいので運要素は下がると想定
・和了る技術に大きな差がない上級者と中級者の戦いでは、点棒の行って来いの問題よりも、振り込まない技術による勝負割合が低下する効果が大きいので運要素は上がると想定
ということになります。
結果、トータル的に運要素が下がるのかどうかの判断は難しいのですが、競技麻雀に限って考えればあまり好ましくない状況です。

振り込まない技術に特化させるのなら、規定の点数をどんどん失っていく減点方式を採用すればいいのではないかという発想が浮かびます。
しかし、採点競技を除き競技というものは基本的に加点の量で勝負するもので、減点方式で勝負をする競技なんてダーツぐらいしか私は知りません。
もし実際に減点方式で麻雀をしたら、放銃リスクを下げるため1手目で赤ドラを切るような麻雀になりかねず、下手をすると誰も和了りを目指さない面白くも何ともない麻雀になってしまうかもしれないのです。
いずれにせよ減点方式では麻雀の質が変わりすぎるため、とても採用出来るものではないでしょう。
正直、運要素については私個人では分からないとしか言えないのが現状です。

では、実際に加点式麻雀を競技麻雀で採用したらどうなるかを考えていきましょう。
加点式麻雀での勝負で現在の麻雀と明確に違いが出る点は、トップに対して振り込まないことが極端に重要視されることです。
トップが規定の点数に達した時点でゲーム終了なので、後半になれば徹底的にトップに振り込まないようなゲーム進行を他の3人はしていくと想定されます。
逆に自分の点がマイナスすることはないので、点数の離れた最下位の人には振り込んでも構わないという考えも生まれるはずです。
そうなるとトップの人はリーチをかけづらく、逆に最下位の人はリーチを掛けて振り込みを狙い予想以上に高い手を和了るなどの戦術も生まれます。
今でも振り込みで局を流すような技術が上級者の戦いでは起こりますが、自分のマイナスがない加点式麻雀では、今と比べ物にならないほど振り込みに関する技術や戦術が生まれると考えられるのです。
このように新たな戦術が生まれればゲームは基本的に複雑化し、ゲームが複雑になれば基本的に競技性が増します。
そのため上級者同士の戦いでもそれなりに接戦となって運要素の低下に繋がり、少なくとも運要素が極端に上がってしまうことはないと思われます。
それに加え目無し問題や複雑な勝利条件といった問題が完全に解消されるので、競技麻雀で加点式麻雀を使うメリットは高いと考えられるのです。

更に加点式麻雀では、麻雀普及問題の最大の懸念となっている点数計算の問題も是正出来るかもしれません。
実は加点式麻雀について再度考えたのはこのためで、ズバリ、加点式麻雀の点数は1翻=1000点にしたいと思っています。
符の点数が考慮されて翻数が低くなっている役(三暗刻、三槓子、混老頭など)は調整する必要がありますが、1翻=1000点という点数計算以上に簡単なものはそう簡単に思い浮かびません。
この1点をとっても、加点式麻雀のメリットは大きいと考えます。

また、現在の麻雀は子の最低点(30符1翻)が1000点なのに対し、最高点は基本的に役満の32000点(W役満などはないものとする)と差が激しい問題がありますが、この問題も1翻=1000点の計算方法で解決出来るかと思います。
役満はほとんど運で完成するにもかかわらず点数が高すぎ、麻雀の運要素を高める原因になっていると考えられるのです。
1翻を1000点にすると数え役満が13翻なのですから、役満も13翻程度で十分ということになります。
役満が32000点から13000点になれば最低点と最高点の点数幅が小さくなるので、運要素の是正に繋がる可能性が高いわけです。

そもそも現在の麻雀点数計算には矛盾があります。
現在の点数計算では翻数を倍々にすることが基本で、和了点計算式は『符×4×2^(2+翻数)』となります。
最初の4は点数を4の倍数にするためのもので、ロンならそのままの点が支払いで、ツモなら親2子1の割合で支払い、次の2が倍々計算の意味で、カッコ内の2は場ゾロの2翻です。
この計算式で30符の13翻(数え役満)を考えると30*4*2^(2+13)=3932160となり、100点単位を切り上げた3932200点が和了り点となります。(この打ち切りのない点数法を青天井ルールという)
400万点近い点数なんてとても採用出来ないので、満貫の8000点以降は翻数に対する倍々計算はなくなるわけです。
現在の麻雀で満貫以上になるのは珍しいことではなく、倍々計算にならないケースはよく目にします。
倍々の計算をすると決めているのに、倍々の計算だと問題が生じるからすぐにその計算を打ち止めるのは矛盾しているのではないでしょうか?
本来は、倍々計算をするのならするでしないのならしないで統一するべきなのです。
これは役の数と翻数が少なかったアルシャル麻雀時代(満貫止まりのみで十分だった時代)の名残と思われ、現在の麻雀では明らかに矛盾が生じていると言えます。

一方、1翻1000点というルールはどこまでいっても1翻1000点なので一貫性があります。
これなら役満を含めた全ての役に翻数を付け、あらゆる役の重なりを認めることも可能です。
むしろこのほうが役の重なりに対する不公平感が減るかもしれません。
清一色の四暗刻などは何の役もない四暗刻より高くて当たり前のはずですが、現在は点数計算の不備により同じ点数にしかならず、こういった問題も加点式麻雀では解決出来る可能性があるわけです。

というわけで、次回の記事では役の翻数を調整した加点式麻雀の全ルールを発表したいと思います!!

加点式リーチ麻雀のルール
加点式麻雀の基本ルール 基本はありありルールのリーチ麻雀 点数は加点だけを考慮し点棒のやり取りは行わない ※説明1 親と子の概念はない ※説明1、説明2 点数は1翻1000点とする ※説明3 ダブロン・トリプルロンで和了る...
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加点式リーチ麻雀
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運要素の改善を含め競技性のある麻雀ルールを考えました!

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