日本のテレビが紹介する訪日外国人への違和感と日本の西洋偏重主義

社会問題
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今回書くことは、特に海外の反応サイトで話題になっていることではないのですが、日本メディアの外国人への扱いについて、ここで問題提起をしたいと思います。

近年の日本は訪日外国人増え続け、街中で外国人を見る機会も珍しくなくなってきました。
そこで、まずはここ10年の訪日外国人数のデータをご覧ください。

【日本へ来る外国人の年別人数】
2008年:835.1万人
2009年:679.0万人
2010年:861.1万人
2011年:621.9万人
2012年:835.8万人
2013年:1036.4万人
2014年:1341.3万人
2015年:1973.7万人
2016年:2403.9万人
2017年:2869.1万人

リーマンショックと東日本大震災の影響で、2009年と2011年は前年より減少していますが、基本的に訪日外国人の人数は右肩上がりに推移し、ここ10年で3倍以上になりました。
特に2015年からの伸び率は、凄まじいものがあります。
そのような影響からか、近年は外国人を扱ったテレビ番組も増えてきており、月曜日のテレビ東京に至っては、

『YOUは何しに日本へ?』18:55~20:00
『世界!ニッポン行きたい人応援団』20:00~21:00
『世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~』21:00~21:54

と3連続で外国人や外国を題材とした番組を放送しています。
そして、私はこういった番組でとても不思議に感じることがあるのです。
それは番組内で西洋系の人ばかりを扱っているという点です。
テレビ的に考えて、日本人との外見的違いが分かりやすい西洋系の人を扱うことに一定の理解は示しますが、いくらなんでも現在の日本に訪れる外国人の比率とのギャップが大きすぎるように感じます。

では、ここで2017年の訪日外国人の国別人数ランキングをご覧ください。

【2017年の訪日外国人の国別人数ランキング】
1位:中国、7,355,800人
2位:韓国、7,140,200人
3位:台湾、4,564,100人
4位:香港、2,231,500人
5位:アメリ、1,375,000人
6位:タイ、987,100人
7位:オーストラリア、495,100人
8位:マレーシア、439,500人
9位:フィリピン、424,200人
10位:シンガポール、404,100人
11位:インドネシア、352,200人
12位:イギリス、310,500人
13位:ベトナム、308,900人
14位:カナダ、305,600人
15位:フランス、268,500人
16位:ドイツ、195,600人
17位:インド、134,400人
18位:イタリア、125,800人
19位:スペイン、99,900人
20位:ロシア、77,200人

以上のように、上位を独占しているのは東アジアの国や地域であり、現在の日本に訪れる人の4人に3人が東アジア人ということになります。
では、続いて2010年の訪日外国人の国別人数ランキングをご覧ください。

【2010年の訪日外国人の国別人数ランキング】
1位:韓国、2,439,816
2位:中国、1,412,875
3位:台湾、1,268,278
4位:アメリカ、727,234
5位:香港、508,691
6位:オーストラリア、225,751
7位:タイ、214,881
8位:イギリス、184,045
9位:シンガポール、180,960
10位:カナダ、153,303
11位:フランス、151,011
12位:ドイツ、124,360
13位:マレーシア、114,519
14位:インドネシア、80,632
15位:フィリピン、77,377
16位:インド、66,819
17位:イタリア、62,394
18位:ロシア、51,457
19位:スペイン、44,076
20位:ベトナム、41,862人

実は、訪日外国人数上位20か国は2010年と2017年で全く同じ顔ぶれです。
ということで、この2つのランキングデータを使い、各国の訪日外国人数の伸び率を見ていきたいと思います。

【2010年から2017年の訪日外国人の国別伸び率ランキング】
1位:ベトナム、7.38倍
2位:フィリピン、5.48倍
3位:中国、5.21倍
4位:タイ、4.59倍
5位:香港、4.39倍
6位:インドネシア、4.37倍
7位:マレーシア、3.84倍
8位:台湾、3.60倍
9位:韓国、2.93倍
10位:スペイン、2.27倍
11位:シンガポール、2.23倍
12位:オーストラリア、2.19倍
13位:イタリア、2.02倍
14位:インド、2.01倍
15位:カナダ、1.99倍
16位:アメリカ、1.89倍
17位:フランス、1.78倍
18位:イギリス、1.69倍
19位:ドイツ、1.57倍
20位:ロシア、1.50倍

以上のデータが示すように、訪日外国人数が増えたのは圧倒的にアジア各国です。
これが意味することは、訪日外国人が増えたのは日本の観光政策が成功したからではなく、日本とアジア各国との経済格差(物価の格差など)がなくなり、アジアの人々が日本へ訪れやすくなったからに過ぎないということです。

にもかかわらず、あまり多く訪れているわけでもない、または訪れる人がそこまで増えているわけでもない西洋系の人を、日本のテレビは”近年増えた訪日外国人”としての紹介しています。
本来なら、もっとも取り上げなければならない中国、台湾、韓国などの東アジアの人たちのことは、完全に無視しているような扱いになっているケースもあり、その他のアジア人も西洋系の人に比べるととても小さな扱いとなっています。

具体例を示すと『世界!ニッポン行きたい人応援団』は、日本の文化に興味がある外国人を日本に招待し、その姿を追っていく番組なのですが、番組開始以来、東アジアの人が招待されたことは1度もなく(日系人はいたが)、基本的には西洋系の人(旧ロシアの中央アジアや南アメリカの人を含む)だけを招待しています。
この番組はかなり極端なのですが、こういった現象は他の外国人を題材にした番組でも見られる傾向で、情報番組などで訪日外国人が最近増えてきたことを紹介する際のちょっとした映像でも、そこに映し出されるのは大抵は西洋系の人になっています。
逆に東アジア人については、(基本的に中国人と韓国人のみだが)マナーが悪いなどというネガティブな紹介のほうが多くなってように感じます。

中国や韓国は日本と政治的な揉めている一面もあるので一概に判断はできませんが、いくらなんでも現在の日本のテレビが紹介する訪日外国人の姿は実態を反映していないと思います。
日本は、明治維新あるいは太平洋戦争敗戦以降、極端に西洋偏重主義に傾いていきましたが、どうやらそれから70年以上の時が過ぎても、その考え方から抜け切れていない模様です。

以上、日本のテレビ局、強いては日本人に対し問題提起をしたいと思います。

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