日本のフィギュアスケート人気と国際的なフィギュアスケートの人気低下

スポーツ・競技
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昨年、日本におけるフィギュアスケート人気の実態について海外の反応サイトで話題になっていたことがありました。
それはフィギュアスケートを題材にしたアニメ『ユーリ!!! on ICE』に絡めての質問で、アニメの世界と現実の世界のギャップがあるのかという話でした。
答えを先に言ってしまうと、日本でフィギュアスケートはめちゃくちゃ人気があります。

ではここで、日本のフィギュアスケート人気について、少し歴史を遡って振り返ってみます。
まず、日本のフィギュアスケート選手と言って第一に挙げなければならないのが、日本のフィギュアスケート選手の先駆者的存在の伊藤みどりです。
彼女がいなければ、今日の日本人フィギュアスケート選手の活躍も、日本でのフィギュアスケート人気もなかったことでしょう。

伊藤みどりは、1980年に全日本フィギュアスケート選手権女子シングルで3位に入るのですが、このときの年齢はなんと11歳です。
その後、1989年世界フュギュアスケート選手権女子シングルで、当時はまだ白人スポーツと見なされていたフィギュアスケート界の中で初めてアジア人として優勝します。
1992年のアルベールビルオリンピックでは、ジャンプでの転倒が響き銀メダルに終わりましたが、十分の活躍を見せました。
当時は、伊藤みどりやそのコーチである山田満知子の様子を追うテレビ番組などがよく放送されていて、伊藤みどりは国民的な人気を誇っていました。(当時の伊藤みどりは、後の浅田真央以上に人気があったかもしれません)

その伊藤みどりが引退して、日本のフィギュアスケート人気は若干低迷しますが、2002年のISUジュニアグランプリファイナル女子シングルで、女子選手として初めて公式大会で4回転ジャンプを成功させた安藤美姫への人気が高まっていきます。(安藤美姫の後に4回転ジャンプを成功させる女子フィギュアスケート選手は、15年3ヶ月後の2018年3月まで待たねばならない)
2005年2月に安藤美姫が出場した冬季国体では、会場に入りきれないほどのファンが押し掛け入場規制がかかるほどの盛況ぶりでした。
そしてその翌月には読売ジャイアンツの開幕戦の始球式を務めるなどし、あまりに報道が過熱したため2005年3月30日には日本スケート連盟が日本雑誌協会に『配慮ある報道』を要請するに至ります。
当時の安藤美姫は正にフィーバー的な人気で、瞬間的な人気の高さなら、おそらく彼女が日本のフィギュアスケート選手の中で1番だったと思われます。

そんな興奮も冷めやらぬ中、浅田真央が2005年のISUグランプリファイナル女子シングルで優勝し、安藤美姫以上の人気を得ていくことになるのです。
また、このような若手2人の活躍を尻目に、荒川静香が2004年の世界フィギュアスケート選手権女子シングルで金メダルを獲得、更に2006年のトリノオリンピックでも同種目で金メダルを獲得し、日本のフィギュアスケート人気は頂点に達します。
その後、浅田真央は伊藤みどり以来となるような国民的な人気者となったことはみなさんもご存知のことでしょう。
2013年には安藤美姫が、2017年には浅田真央が競技選手を引退してしまいましたが、その代りに今度は男子選手の人気が高まっていきます。

2010年のソチオリンピック・フィギュアスケート男子シングルで銅メダル、同年の世界フィギュアスケート選手権男子シングルで金メダルを獲得した高橋大輔選手の人気も高かったですが、その後に登場した羽生結弦選手は、オリンピックのフィギュアスケート男子シングルで66年振りとなる連覇を果たし(ソチ、平昌)、国民栄誉賞を得ることとなります。
この国民栄誉賞は、読んで字の如く日本国民の中で最大の栄誉です。

以上の経緯により、日本におけるフィギュアスケートはとても人気で、ICUグランプリシリーズや世界フィギュアスケート選手権はゴールデンタイムにテレビ中継されることも多く、高視聴率を獲得しています。
当然、冬季オリンピックでもフィギュアスケートは最大の注目競技です。

そもそも海外の人が日本のフィギュアスケート人気に対し疑問をもったことには背景がありました。
どうやら、近年は世界的にフィギュアスケートの人気が低下傾向にあるようなのです。
特にフィギュアスケートは人気の低下が著しいのがアメリカです。
アメリカは、かつてフィギュアスケート界を席巻している時代があり、

クリスティー・ヤマグチ
ナンシー・ケリガン
トーニャ・ハーディング
ミシェル・クワン
タラ・リピンスキー

など、特に何も調べることなく何人ものアメリカ人の女子フィギュアスケート選手の名前を挙げることができます。

このような選手らの活躍により、世界フィギュアスケート選手権女子シングルにおいて、アメリカ人選手は1995年から2006年までの12年間で16個メダルを獲得しています。
それが、2007年から2018年の12年間では1個しか獲得できていないのです。
しかも2007年から2015年まではメダルの獲得は無しとなっています。

一方、日本人選手は、同じ世界フュギュアスケート選手権女子シングルにて、1995年から2006年までの12年間で4個だったメダルを、2007年から2018年の12年間で11個にまで増やします。
しかも、その内の5回は金メダルです。
近年は女子選手の活躍に引っ張られる形で、男子シングルでもメダルを獲得するケースが増えてきており、2002年以降に世界フィギュアスケート選手権の男女シングルを併せて、日本人選手がメダルを逃したのは1回だけとなっています。
フィギュアスケートは、元々限られた国でのみ人気の高い傾向が強かったですが、アメリカは上記のように人気が圧倒的に低下し、ヨーロッパも人気低迷気味と言われ状況で、韓国も国民的なスパースターだったキム・ヨナが引退しブームが去った感があります。
そのため、現在フィギュアスケートが人気な国は日本とロシアが中心なようで、かつてのようなオリンピックの花形競技というわけでもなくなってきているのかもしれません。

ちなみに、日本人はロシア人のフィギュアスケート選手も大好きで、平昌オリンピック・フィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手に、日本側から秋田犬がプレゼントされたこと有名な話です。
ザギトワ選手がオリンピックで金メダルを獲得するまでは、日本のアニメが大好きなエフゲニア・メドベージェワ選手のほうが人気が高く、今でもメドベージェワ選手ファンは日本にたくさんいるものと思われます。
以上のように、世界的な人気の低下が危ぶまれるフィギュアスケートですが、日本のフィギュアスケートの人気はまだまだ高く、特に近年は男子のフィギュアスケート選手の人気が高まっているようです。

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コメント

  1. 浅田ファン より:

    安藤美姫の人気ってそんなに凄かったんですね。
    ビックリです。

  2. 匿名 より:

    2018年のグランプリファイナル女子シングルは、日本人3人とロシア人3人の6人で行われることが決まりました。
    やはり現在のフィギュアスケートは、日本とロシアに人気が集中しているようですね。

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