以前、日本人の英語が苦手な理由について母音の少なさを理由に考察したことがあります。
日本人の英語力については海外の反応サイトでも度々話題になることなので、今回、再びこの問題について考えてみます。
日本人が英語が苦手ということは相対的な話であるため、逆に考えると外国人は英語が得意であるということです。
そこで、なぜ外国人が英語が得意なのかについてヨーロッパを例に考えてみます。
当たり前の話ですが、ドイツ人はドイツ語、フランス人はフランス語、イタリア人はイタリア語、スペイン人はスペイン語、オランダ人はオランダ語を話します。
しかし上記の国々は地理的に陸続きで、高速道路や高速鉄道の発展により短い時間で気軽に行き来することが可能です。
島国のイギリスですら海底トンネルでフランスと繋がっています。
特にEUが発足して以降は加盟国内ならパスポートなしで他国への入国が可能となり、通貨も共通化され人の往来は頻繁になりました。
そのため、フランスのパリでフランス人とイタリア人とスペイン人が一同に会すなんてことも普通に起こるわけです。
こういった別の国同士のヨーロッパ人たちは、どの言語で話すのが効率的でしょうか?
ヨーロッパ人がヨーロッパにある全ての言語を覚えれば問題は解決しますが、そんな非効率的なことをするほど人間はバカではありません。
共通言語を1つ決めておけば、その言語を使って誰とでも会話をすることが可能となるのです。
ヨーロッパにおける共通言語は、必然的に世界の主流言語である英語が選ばれます。
日本語に比べればヨーロッパにある言語はどれも英語に近いので、日本人よりも(英語を母国としない)ヨーロッパ人は英語の習得が簡単だったのでしょう。
一方、日本は海に囲まれた島国で、外国に行くには“よほどの例外”を除き飛行機か船で行くことになり、パスポートも必須となります。
現在の日本において、気軽に行ける海外は1カ国もありません。
そのため、日本人は日本語しかしゃべれない傾向が強くなるわけです。
ただし、日本国内でもヨーロッパと同じようなことが起こっています。
それが、東京の山の手言葉を基本とした標準語に関する話です。
日本では言語の多様性が乏しく、大半の国民は日本語を使って会話をしていますが、方言と呼ばれる地域独自の訛りがあります。
沖縄県や青森県のような訛りの強い地域の言葉は他の地域の人に通じないこともあり、誰とでも会話が出来るように基本となる日本語『標準語』が整備されたわけです。
日本より遥かに広い国土と数多くの民族をもつ中国の場合は、方言が別言語レベルで全く通じないため普通話と呼ばれる共通言語が整備されました。
このような日本における標準語、中国における普通話に当たる言葉を、海外(少なくともヨーロッパ)では英語が担っているのです。
これが外国人と比べて日本人が英語が苦手と思われる根本的な理由で、多くの外国人は必要にかられて英語を習得していると言えます。
その点を考えると、(コロナ流行前は)外国人観光客が大幅に増えた日本においても、今後は英語のレベルが向上していくのかもしれません。
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