柔道を起源にもつブラジリアン柔術が、総合格闘技の世界を席巻したことについて、日本人は悔しい思いをしているのか、または屈辱的に感じているのかという疑問を外国人の方がされていました。
この疑問に対する私の第一印象は『面白いことを考えるな』というものでした。
自分はUFCの大会を第1回から見ている数少ない1人でありますが、ブラジリアン柔術(当時はグレイシー柔術と呼ばれていた)に対し悪いイメージを持ったことはありません。
おそらく日本人の多くは、ブラジリアン柔術について屈辱的どころか、むしろ好意的な印象を持っていると思います。(もしくは全く興味が無い)
柔道という日本武術が国を渡って形を変え発展していくことは、とても素晴らしいことだと多くの日本人は感じていることでしょう。
そして、そもそも柔道とブラジリアン柔術はそんなに違いのある格闘技ではありません。
端的に言えば、柔道とブラジリアン柔術は、投げが重要視されるか寝技が重要視されるかだけの違いであり、本質的な部分は同じ競技だと私は思っています。(著者はブラジリアン柔術経験者です)
近年の柔道はオリンピック競技に採用されるなどの国際化の結果、地味な寝技は重要視されず極端に投げ重視の傾向が強まっているため、全然違う競技に見えてしまうのも仕方ないかと思いますが、やってみればほとんど『待て』のタイミングが早いか遅いかだけの違いしか感じませんでした。
当然、投げによる一本があるかないかで戦術が変わってきますが、柔道も投げ技で一本が決まる前に大抵は寝技の機会が出てくるので、その際に『待て』がかからなければ、結局試合展開はブラジリアン柔術のようになるものと思われます。
そして実は、寝技中心の柔道は日本にもあるのです。
それは高専柔道や七帝柔道などと呼ばれ、戦前から脈々と受け継がれています。
この高専柔道はブラジリアン柔術とルール的にも技術的にもほとんど違いはなく、選手はすぐにお互いの競技へと対応ができます。
高専柔道が日本でメジャーにはならなかったわけは、単純に柔道(講道館柔道)のほうがオリンピック競技に採用されるなどしてメジャーになったためです。
当然、同じ厳しい練習をするのなら、大舞台であるオリンピックへの出場チャンスのあるほうを選ぶのが自然でしょう。
このような状況からか、高専柔道は逆に知る人ぞ知る存在へとなり、表舞台に出ることにも消極的だったように感じます。(現在は、ブラジリアン柔術の台頭により再び脚光を浴びつつあるが)
以上のように、私の考えではブラジリアン柔術は寝技を重視しただけで柔道と大きく変わらないような感覚でしたし、寝技を重視した柔道なら日本にあることも知っていたので、ブラジリアン柔術が総合格闘技の世界で脚光を浴びても、大きな驚きはなく屈辱的な感情も一切湧いてきませんでした。
日本には、柔道の他にもや空手や合気道などといった国際的に有名な武道・武術があります。
更に最近は日本の国技と言われる相撲も国際化してきています。
まさに、武道大国・日本です。
実際、ロシアのサンボもブラジリアン柔術と同じで柔道や柔術が基となっていますし、韓国のテコンドーは空手が基となっています。(空手は中国武術の影響もあるが)
このように、日本の武道・武術が世界に広まり形を変えて発展していくことは、日本人として嬉しい限りです。
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