前回、日本におけるF1レーサーの知名度の低さの話をしましたが、今回はF1レーサー以外のスポーツ選手の知名度についても考えていきたいと思います。
考える定義は『もし日本の街中を歩いていて騒ぎになるような外国人の選手はいるか?』というものです。

まず、F1と同じレース系スポーツは、日本ではどれも人気がありません。
ヨーロッパでは比較的人気があるオートバイレースも、ほぼ100%の日本人が選手の名前(日本人選手を含めて)を1人も知らない状態です。
同じくヨーロッパで絶大な人気のある自転車競技(ロードレース)も、同じような状況と言えるでしょう。
私は、ツール・ド・フランスをかつてよく見ていたため、ドイツのヤン・ウルリッヒやイタリアのマルコ・パンターニ、最近ではコロンビアのナイロ・キンタナ選手などを知っていますが、一般的な日本人は、こういった著名な選手すら全く知らないと思われます。
世界でもっとも人気のあるスポーツのサッカーはどうでしょうか?
おそらくサッカーの現役選手で、日本の街中を歩いて騒ぎになるような人は、
クリスティアーノ・ロナウド
リオネル・メッシ
ネイマール
ぐらいだと思います。
ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ選手も街中にいたら騒ぎになるでしょうが、これは日本のチームに所属して話題になったからなので、今回の趣旨とは意味合いに若干の相違があります。
意外にサッカー選手ですら、日本で騒ぎになるほど人気がある人は多くないと思われるのです。
日本の人気スポーツといえばサッカーよりも野球です。
しかし、野球界の最高峰であるメジャーリーグの外国人選手で、日本の街を歩いて大騒ぎになるような人は、おそらく1人もいないのではないでしょうか?
大注目の大谷翔平選手のチームメイトで、ア・リーグのMVPを2度獲得しているマイク・トラウト選手ですら、日本の街中を歩いていて騒ぎが起こるようなことはおそらくないでしょう。
国際スポーツとして名高いテニスでも、ラファエル・ナダル選手やロジャー・フェデラー選手の名前は日本人の多くが知っているでしょうが、名前と顔が完全に一致する人は少なく、日本の街中を歩いても騒ぎどころかほとんどの人は気付きもしないと思います。
女子テニス選手ではウィリアムズ姉妹がそれなりに有名ですが、日本人は見慣れていないためか黒人の顔の区別が苦手なので、ウィリアムズ姉妹がいても大きな黒人女性という目立ち方しかしないと思われます。
格闘技系の選手は、体が大きくそもそも目立つ存在なので騒ぎになるかもしれません。
ロシアのエメリヤーエンコ・ヒョードル選手などは知名度もそれなりにあるため、気付く人も多いことでしょう。
しかしこれは、日本での活躍の影響によるもので、日本での試合経験のない総合格闘家が街中にいてもほとんどの日本人は誰だかわからないはずです。
同じ格闘技系のプロレスラーも、最高レベルの人気レスラーだったザ・ロックやストーン・コールド・スティーブ・オースチンですら、普通の格好をしていたら日本で気付く人は多くはないでしょう。
現役レスラーのジョン・シナ選手はTwitterフォロワーが1000万を超えていますが、日本人の一般層はほとんど名前すら知りません。
日本の街中を歩いて騒ぎになる可能性がある唯一の外国人レスラーは、世界のアイコン的プロレスラーであるハルク・ホーガンだけかと思います。(スタン・ハンセンも同レベルの知名度を誇るが、日本での活躍によるところが大きい)
ちなみに、ショーン・マイケルズとのラダーマッチで有名なレイザー・ラモン(後のスコット・ホール)は、日本ではお笑い芸人と認識されてしまいます。(^_^;)
目立つと言えば、背の高いバスケット選手(NBA選手)も相当に目立ちます。
しかし、日本でのNBAの人気も最近は大幅に落ちてしまいました。
マイケル・ジョーダンが活躍していた時代は、NBAが一種のブームになるほどの流行りっぷりだったため知名度の高い選手が多かったのですが(デニス・ロッドマンなど)、そういった知名度の高い選手もシャキール・オニールやコービー・ブライアントぐらいまでで、今のNBA選手はレブロン・ジェームスですら日本での認知度は低いと思われます。
今の日本で、来日して確実に話題になるスポーツ選手は、フィギュアスケートの
エフゲニア・メドベージェワ選手
アリーナ・ザギトワ選手
の2人です。
現在の日本で、ゴールデンタイムの時間で頻繁に放送される国際的な(外国人を認識できるような)スポーツは、フィギュアスケートぐらいしかないので、もしこの2人が地下鉄に乗っていたらパニックが起きる可能性が高いと思われます。
過去の中央調査社のアンケート調査をみると、日本の女性でもっとも好きなスポーツは、ここ数年間フィギュアスケートになっているようなので、日本におけるこの2人の人気は他国とは比べ物にならないほど高いものと思われます。
※ここ最近メドベージェワ選手が絶不調であることが気になるが・・・
それ以外のスポーツ選手では、100m世界記録保持者のウサイン・ボルトやボクシングのフロイド・メイウェザー選手はそれなりに気付く人はいると思いますが、先述した通り、日本人は黒人の見分けが苦手であるため、街中にいても当人であることに気付く人は少ないかと思われます。
過去に一世を風靡した人という枠で考えれば、
タイガー・ウッズ(ゴルフ)
マリア・シャラポア(テニス)
マイケル・ジョーダン(バスケット)
デイビット・ベッカム(サッカー)
マイク・タイソン(ボクシング)
などは認知度があり騒ぎになる可能性が高いかもしれませんが、こういったスポーツ選手の数はそんなに多くはないでしょう。
結局、現在の日本において、街中を歩いていて騒ぎになるようなスポーツ選手は、世界的なサッカー選手とフィギュアスケート選手の数人しかいないが実態です。(個人的見解だが)
つまるところ、日本人はあまり海外のスポーツに興味はなく、興味があるのは海外で活躍する日本人選手だけと思われます。
それ以外の海外スポーツは、一部のマニアだけが楽しんでいる状況です。
ヨーロッパは陸続きで経済的にも軍事的にも強固な協力体制ができているので、あまり国の隔たりなくスポーツ選手を見ているのかもしれませんし、南米やアフリカでは植民地時代の影響で、かつての宗主国で人気の高いスポーツをよく見たりするのかもしれませんが、それ以外の国の人は、海外のスポーツについて意外にこの程度にしか見ていないのかもしれません。
以上、日本における外国人スポーツ選手の知名度について考えてみました。
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