アメリカでワクチン接種が思ったより進まない本質的な理由

国際的問題
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ワクチンの開発で収束方向に進むと思われた新型コロナウイルスの感染拡大でしたが、デルタ株という感染力の高い変異ウイルスにより再び世界で猛威をふるい始めました。
このことは、海外の反応サイトでも当然大きな話題となっています。

アメリカやイギリスは自国の製薬会社がワクチンを開発したということもあり、いち早くワクチン接種が進み、希望者へのワクチン接種はほぼ終了しています。
そのため、日本のように現在進行系でワクチン接種を進めている国と違い、新型コロナウイルスのワクチン打たないと判断した(打ちたくない)人の割合がある程度分かってきました。
このワクチンを打たないと判断した人を統計上のデータで調べていきたいと思います。

まず、両国のワクチン接種率を御覧ください。(共に8月13日のデータ)

アメリカのワクチン接種状況
1回接種の割合:60.0%
接種完了の割合:51.1%

イギリスのワクチン接種状況
1回接種の割合:70.8%
接種完了の割合:60.3%

以上のように、アメリカとイギリスにはワクチン接種に10%程度の差があることが分かります。
この中から、“打たない”ではなく“打てない”人を引かなければなりません。
現状18歳未満の人はワクチン接種の対象となっていないので、基本的に18歳未満の人はワクチンを打てない人に分類されます。
アメリカもイギリスも軽い少子化状態が続き鉛筆型のような人口ピラミッドで、18歳未満の割合に大きな差はないようです。

アメリカの人口ピラミッド

イギリスの人口ピラミッド

引用:Population of WORLD 2019 – PopulationPyramid.net

その他、様々な事情でワクチンを打てない人がいることを加味し、どちらの国もおおよそ25%ぐらいの人はワクチンを打てないと想定されます。
つまり、ワクチンの接種率は75%ぐらいがMAXということです。
接種率のMAXが75%であると考えると、1回目のワクチン接種が70%を超えているイギリスはワクチンを打たないと判断した人がかなり少ないことが伺えます。
一方、アメリカはワクチンを打たないと判断している人の割合が現状15%程度いるものと想定され、ワクチンを打たない人が一定数存在していることが分かります。

アメリカの新型コロナウイルスによる死者数は世界最多で、人口比の死亡率で見てもかなりの上位(100万人あたり1910人)なのにもかかわらず、ワクチンを打とうとしない人が多いことは不思議が現象です。
イギリスの新型コロナウイルス死亡率はアメリカとほぼ同じ(100万人あたり1914人)ですから、アメリカ人のワクチンを嫌う傾向はかなり強いと言えます。
では、なぜアメリカ人はワクチンを打ちたくない人が多いのでしょうか?

それは、アメリカ人が迷信を信じやすい国民だからです。

以前に、アメリカには天動説を信じる人が26%いるということを記事にしました。(なぜアメリカ人は〇カなのか? アメリカ人に対するキリスト教原理主義の影響について
このような現在科学で完全に否定されたような過去の価値観を、未だに信じる人が多いのがアメリカという国なのです。
新型コロナウイルスに対しても、こういったレベルの迷信を信じる人が多くいるものと思われます。
例えば、アメリカ人の1/3以上の人が新型コロナウイルスを中国政府が作った化学兵器だと思っているというデータが示されたこともありましたし、ワクチンを打つとチップが埋め込まれるという噂話が拡散したのもアメリカからでした。
このように、アメリカではにわかには信じがたいようなレベルの迷信を信じてしまう人の割合が多く、ワクチンの接種率が思ったより上がらない原因になっているようです。
結果、アメリカの新型コロナウイルス新規感染者は8月14日に214,295人、死亡者は8月13日に1,234人と再び増加の一途をたどっています。
イギリスの現在の感染者がおよそ30,000人、死者数が100人弱ですから、人口換算でみてもアメリカの感染者・死亡者はがかなり多いと言えます。

日本にもワクチン打ったらクビなんてイカれた会社がありましたが、くだらない迷信を信じて新型コロナウイルスの感染拡大及び死亡者増加みたいな話がないことを願うばかりです。

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