東京都心部にある自然地帯の分断について

哺乳類
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私には、東京都心の自然について昔からずっと思うことがあります。

東京23区内の土地は、ほとんどが開発され尽くしていますが、その中心部にある皇居と明治神宮(代々木公園)には広大な森林地帯が残っています。
天皇陛下の住居である皇居と神聖な神社である明治神宮は、場所柄から人がなかなか踏み入れられず、21世紀においても昔ながらの原風景が残る場所となったのです。
そしてこの皇居や明治神宮には、タヌキやモグラなどの哺乳類、ヘビやカメの爬虫類、カエルなどの両生類、その他にも昆虫や虫など、東京のど真ん中とは思えないような様々な動物たちが生息しています。
また皇居と明治神宮の間には、新宿御苑や赤坂御用地(東宮御所)という自然が多く残る場所もあります。
しかし、この東京都心にあるこれらの自然地帯は分断されてしまっていて、動物たちは簡単に横断することはできません。

以下の地図をご覧ください。

緑の自然地帯が4つあるのが分かると思いますが、これは左から、明治神宮、新宿御苑、赤坂御用地、皇居です。
どの場所も自然地帯が微妙に分断されていていることが確認できるかと思います。
空を飛べる鳥だったらいいですが、地上生物にとって大都会のコンクリートジャングルを超えて移動するのは簡単ではありません。
この東京都心のど真ん中にある4つの自然地帯が繋がっていたら、動植物にとってどれほど有意義なことだろうと、私は昔から勝手に思いをはせていたわけです。

では、以下で明治神宮から皇居までの自然地帯の分離状態を1つ1つの確認していきます。

明治神宮から新宿御苑

明治神宮と新宿御苑は最短距離で500m程度離れていますが、その間には1日の利用者数は70,479人(2018年のデータ)を誇る代々木駅があります。
また、この場所は路線的に山手線と中央線が交わっており、そう簡単に動物が移動できるような場所ではありません。
ただし、電車の運行が停まる深夜などは、線路脇の小さな緑地帯などに沿って明治神宮と新宿御苑を行き来するタヌキなどもいるのかもしれません。

新宿御苑から赤坂御用地

赤坂御用地のすぐ横には、大きな道を挟んで京都造形芸術大学や明治神宮外苑の“にこにこパーク”といった自然の多い場所があります。
こういった自然の多い場所が、聖徳記念絵画館を経由し外苑料金所付近まで繋がっており、新宿御苑まで残り250mの距離まで迫っています。
しかし、その250mの間にはJRの中央線と首都高速道路が並走しており、動物たちにとっては世界が完全に隔たれているかのように感じてしまうことでしょう。

赤坂御用地から皇居

赤坂御用地の向かいには、弁慶濠という外堀(旧江戸城の外堀)があり、その外堀とホテルニューオータニの間(おそらくホテルニューオータニの土地)には多くの自然が残っています。
そこから、清水谷公園と東京ガーデンテラス紀尾井町周辺までは木々が多く、更に道を挟んだ都市センターホテルや平賀町レジデンス周辺にも多少緑地帯があるので、動物たちの移動も可能と思われます。

清水谷公園周辺の拡大図

しかし、そこから皇居の内堀まで何ともしがたい400m幅の大都会が横たわっているのです。

別ルートとしては、弁慶濠から衆議院・参議院議長公邸を経由し国会周辺を抜けて内堀まで行く方法があり、こちらのほうが自然地帯の分断は少ないかもしれません。
更にだいぶ遠回りになりますが、外堀脇の緑地帯を獣道のように使い、靖国神社と北の丸公園を経由する方法も、自然地帯の分断が少なく皇居までたどり着きます。

東京のど真ん中に、こんなにも広い自然地帯が近い距離にあるわけですから、分断を解消できないものかとどうしても思ってしまいます。
場所が場所だけに警備上の問題がありますが、この4つの自然地帯が繋がれば、東京都内の本来あるべき生態系が再構築されることでしょう。

行政や学者の人たちが知恵を絞り出し、この自然地帯の分断が少しで解消されることを願います。

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