『同じ穴の狢』とは、別なように見えて実は同じようなものということわざです。
その狢(ムジナ)とは主にアナグマ(ニホンアナグマ)とタヌキのことを指しているので、アナグマとタヌキの生物的特徴についてまとめてみました。
ムジナの概念
ムジナ (貉、狢)とは、主にアナグマのことを指す。地方によってはタヌキやハクビシンを指したり、これらの種をはっきり区別することなくまとめて指している場合もある。
ムジナの概念には幅がありますが、ここではアナグマ(ニホンアナグマ)とタヌキに限定して説明していきます。
アナグマとタヌキの外見
アナグマ(ニホンアナグマ)
photo credit:ニホンアナグマ (Japanese Badger) by Toshihiro Gamo
こちらはムジナの対象動物となるニホンアナグマ。
タヌキ(冬毛)
こちらもムジナの対象動物であるタヌキ。
正直、そこまでアナグマに似ていませんね?
タヌキ(夏毛)
photo credit:Raccoon dog by zoofanatic
毛がたっぷりある冬のタヌキとニホンアナグマはあまり似ていませんが、冬毛が抜けてスリムになったタヌキとニホンアナグマは多少似ています。
ただ耳の大きさにだいぶ違いがあるので、見慣れた人なら間違えるようなことはなさそうです。
アナグマとタヌキの生態
住処
ニホンアナグマもタヌキも共に穴の中に巣を作り、ときには同じ穴に生息することもあるそうです。
これが『同じ穴の狢』の由来にもなっています。
狸寝入り
ニホンアナグマもタヌキも『擬死』という死んだふりをすることが分かっています。
生息域
共に里山などに生息する動物ですが、ニホンアナグマは人の目に触れることがほとんどない一方、タヌキは人の生活域にかなり近いところでも目にします。
分類
ニホンアナグマはネコ目イタチ科、タヌキはネコ目イヌ科。
つまり、全然別の生き物です。(;^_^A
たぬき・むじな事件とは?
なんと、ムジナの概念を巡って事件に発展したケースもあります。
1924年の栃木県上都賀郡東大芦村(現:鹿沼市)で、禁止されているタヌキを狩猟した猟師が自分の獲った動物はムジナであると主張し裁判で争う事件が起こりました。
当時はタヌキとムジナの概念が曖昧でタヌキが禁猟の対象になっていることを猟師がいまいち理解しておらず、一審では有罪となりましたが最終的には無罪となったそうです。
おまけ
最後に同じ場所で食事をするタヌキとニホンアナグマの動画を紹介します。(^_^;)
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