伝説の黒い虎『マルタタイガー』は本当に存在するのか?

哺乳類
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トラの色柄といえば黄色いに黒い縞模様ですが、動物園などで人気なホワイトタイガーと呼ばれる、白に黒い縞模様をしたタイプのトラも稀に生まれることがわかっています。
その他にも、あまり知られていないですが以下の画像にあるような、ゴールデンタビーと呼ばれる全体の色が薄い(特に黒い縞模様部分が薄い)タイプのトラも存在しています。

コールデンタビータイガー


photo credit:Dave Pape

ゴールデンタビーは、インド周辺に生息する俗に言うベンガルトラと呼ばれるグループのトラに現れる色変種だそうです。(ホワイトタイガーもベンガルトラの白変種体)

さて、ここからが本記事の本編です。

記事のタイトルにもある通り、今回は実在が噂される黒いトラについて考えていきます。
まず初めに、黒いトラと言っても“ローラーボール”マーク・ロコの話ではありません。(意味が分からない人は各自でネット検索してください)

黒いトラとは、マルタタイガーと呼ばれる黒みががったトラのことで、場合によっては(光の角度などによっては)青っぽく見えるとも言われています。
以下の画像は、普通のトラの画像に着色を行ったマルタタイガーの想像図です。

マルタタイガー(想像図)


photo credit:Photo by Mamapajama97 on Flickr.com, edited by uploader (colour of the animal)

このような黒いトラの目撃例が100年以上前から報告されているのですが、しかしこれだけ手軽に画像・映像が撮れる時代になっても、まともな黒い虎の写真が1枚もないのが現状で、実在が疑わしいのも事実です。
現在、マルタタイガーとして世に出回っている画像は、以下の通りなのですが・・・

マルタタイガー?

おそらくこの画像は、角度の関係で黒っぽく見えるだけで、真横から見ればほとんどホワイトタイガーと変わらないような色をしていると思われます。(白い紙に黒い線を何本も書いて、正面からと角度をつけて見た結果を比べれば理解しやすいと思います)
実は、マルタタイガーはアモイトラと呼ばれる中国の南部に生息していたグループの色変種なのですが、アモイトラ自体が野生下では既に絶滅したと考えられているため、マルタタイガーが見付からないのも無理もなかったのです。(上の画像はそもそも普通のホワイトタイガーである可能性が高い)

しかし、黒いトラは本当にいないのか?
そもそも、人間はなぜ黒いトラがいるのではないかと考えるのか?

こういった疑問は、おそらくトラと同じヒョウ属のネコ科動物の中に、黒い固体が生まれる種が存在することが原因と思われます。
有名な例は、以下で示すクロヒョウです。

クロヒョウ


photo credit:Black leopard couple by Eddy Van 3000

また、ジャガーも黒いタイプの個体が(クロジャガー)生まれることがわかっています。

クロジャガー

こちらがクロジャガーで、よく見ると柄が残っていることが確認できます。

こういったクロヒョウやクロジャガーの存在が黒いトラという幻想を生み、少し黒みがかった(場合によっては泥などで汚れた)ホワイトタイガーを黒いトラの報告例として公表してしまったことが、黒いトラ伝説の事の発端なのではないでしょうか?
あるいはアモイトラにも白変種のトラがいて、一般的なホワイトタイガー(ベンガルトラの白変種)よりも多少黒みがかったいたのかもしれませんが、結局は噂が先行し、黒いトラの伝説は世間に広がっていったと思われます。

しかし黒いトラが本当にいるのなら、初代ブラックタイガーファンの私としては1度でいいから見てみたい限りです。(^_^;)

追記

2021年12月23日

トラは近親交配などが起こると遺伝的な欠陥により黒の縞模様が崩れることがあることが分かっています。
黒の縞模様部分が増えて全体的に黒色の割合が増えることを『疑似メラニズム』と呼びますが、この縞模様の崩れはホワイトタイガーにも起こります。
ホワイトタイガーは珍しいトラですが、動物園などでの人気が高いため人工的な繁殖が行われ、そこには近親交配の問題も出てくるわけです。
以上のことを踏まえると、黒模様の割合が多いホワイトタイガーが生まれる可能性も多いわけで、それが黒いトラの噂を広げた原因になっているのかもしれません。

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