『動物の目は2つ』は常識ではありません。
3つ目に4つ目に6つ目に7つ目に8つ目・・・目がいっぱいある動物たちは多数いるので、それらの動物画像付きで紹介します。
※目(眼)について、『目』と書くと動物の分類である目(もく)と分からなくなるので、基本的に『眼』と記載します。
そもそも目とは?(目についての簡単な説明)
光の採り入れ口の数によって、眼は単眼と複眼の二種類に分類できる。
目(眼)には単眼と複眼があります。
また単眼の中には、原始的な窩眼(ピンフォール眼)や、われわれ脊椎動物が持つカメラ眼などがありますが、ここではあまり重要ではないので詳しい説明は省きます。
単眼
俗に言う目(眼)で、多くの動物がこの単眼を備えています。
複眼
個眼と呼ばれる小さな目(眼)の集合体が複眼で、基本的に昆虫が持つ眼の構造となります。
※複眼は小さな眼の集合体ですが、ここでは1つの眼として数えます。
3眼(3つ目)の動物
動物には頭頂眼という頭蓋骨の頂点部分にみられる1つの眼様構造物をもつものがいます。
頭頂眼は別名、顱頂眼、中央眼、第3眼などと呼ばれ、ムカシトカゲ類、トカゲ類、カエル類、魚類、ヤツメウナギ類などの一部でみられます。
カエル類の頭頂眼は皮膚の下に隠れて見えなくなっている他、魚類では稀に3つ目の魚が見つかったとニュースになる程度のようです。
ムカシトカゲ
photo credit:Tuatara by Peter Harrison
ムカシトカゲという爬虫類には、頭頂眼という眼が頭頂部にあります。
ちなみにムカシトカゲは、トカゲとは別の種類の爬虫類で、トカゲにとってはヘビよりも遠い種類の生物になります。
マダガスカルミツメイグアナ
photo credit:Opluridae – Chalarodon madagascariensis (Three-eyed Lizard) by Ettore Balocchi
普通のトカゲにも頭頂部に眼の痕跡がありますが、マダガスカルミツメイグアナはこの痕跡がハッキリと分かる形で備わっています。
Madagascar Spiny Tailed Iguana
photo credit:Madagascar Spiny Tailed Iguana by SurreyJohn
上記したマダガスカルミツメイグアナの近縁種である画像の個体も、頭頂部にハッキリと眼の痕跡を確認することができます。
ヤツメウナギ
photo credit:Sea Lamprey by NOAA Great Lakes Environmental Research Laboratory
ヤツメウナギにも頭頂眼があるらしいですが、詳細は不明です。(画像の頭頂部にあるのは鼻腔で頭頂眼ではない)
また、ヤツメウナギの名前にある『八つ目』は、エラが眼に見えるからで、実際に8眼なわけではありません。
ちなみにヤツメウナギは、ウナギの仲間ではないどころか魚類ですらありません。Σ(゚Д゚)
カツオブシムシ
photo credit:Anthrène du bouillon blanc by Jean-Raphaël Guillaumin【Clipping】
カツオブシムシには頭頂部に1つの単眼がありますが、上記の頭頂眼とは進化の過程が違います。
4眼(4つ目)の動物
ヨツメハネカクシ
photo credit:Amphichroum canaliculatum (Staphylinidae: Omaliinae) by gbohne【Clipping】
ヨツメハネカクシは名前の通り頭頂部に2つの単眼を備える4眼らしいですが、実物を見ても2つの眼以外は確認できません。
ミズスマシ
水面で生活するミズスマシは、地上用の複眼と水中用の複眼が上下に分かれています。
5眼(5つ目)の動物
昆虫類に属す生物のうち、コウチュウ目、カメムシ目以外の成体の多くは複眼の他に三個の背単眼を持つ。
昆虫の多くの種が5つの眼を持ちますので、ここでは代表的なものだけを紹介します。
セミ
photo credit:Swamp Cicada 1 by Kevin Faccenda
セミには、眼と眼の間に逆三角形の背単眼がある。
※顔の中心にあるオレンジ色の小さな丸が背単眼です。
カマキリ
photo credit:mantis 2 by Nick Harris
カマキリの背単眼は触覚の上にある。
ハチ
photo credit:Hornet ( Vespa ) by Disco-Dan
スズメバチの背単眼は明確に分かります。
カブトガニ
photo credit:Horseshoe Crab by Tony Alter
カブトガニも眼が5つあるようですか、5つどころか1つも確認できませんでした。(昆虫の背単眼とは関係ない)
6眼(6つ目)の動物
イトグモ
photo credit:Brown Recluse by Mike Keeling
クモの眼の数は様々あり、イトグモの場合は6眼です。
真ん中の眼が横に2つ並び、左右の眼は縦に2つ並びで配列されています。
7眼(7つ目)の動物
カゲロウ
photo credit:IMGP9993 by Jerry Schoen
カゲロウの中には、上部に向いた複眼と横に向いた複眼が2つにハッキリ分かれている種がおり、更に他の昆虫と同じように3つの背単眼があるので、計7つの眼を持つことになります。
8眼(8つ目)の動物
クモ
クモの眼は基本8つで、その他にも6眼や4眼のクモもいます。
特にハエトリグモという種類のクモは、8つの眼がハッキリと分かります。
サソリ
サソリは、頭頂部にある2つの眼の他、左右に3つ並んだ眼があります。
ウデムシ
photo credit:Amblypygi, El Yunque National Forest, Puerto Rico by Geoff Gallice – 002 by Geoff Gallice
photo credit:Damon johnstonii by Matt Muir
ウデムシには、中央に前方を向いた2つの眼と左右に三角状の3つずつの眼が対に配置されているようです。
サソリモドキ
photo credit:Giant Vinegaroon (Mastigoproctus giganteus) by Pavel Kirillov
サソリモドキも、前方部に2つの眼と左右に3つずつの眼があるそうですが、正直左右の3つ眼の詳細は分かりませんでした。
12眼(12つ目)の動物
イモムシ
photo credit:Papilio bianor by Jörg Hempel
photo credit:Papilio bianor by Jörg Hempel【Clipping】
まず、イモムシの眼に見えるのは、眼状紋と呼ばれる模様です。
イモムシの眼は、複眼の1つ1つである個眼が独立して左右に6個ずつ並んでいます。
画像の個体は、口の近くに小さい黒い点が3つ並び、その上に白い点が2つ、少し奥側にもう1つの黒い点があり、この6つの点が個眼となっています。(逆側にもあるので計12個)
14眼(14つ目)の動物
アリジゴク
photo credit:A ant-lion 8946 by Amada44【Clipping】
アリジゴクの眼は左右に7つずつだそうです。
詳細な情報は分かりませんが、画像の個体を見ると個眼と思われる眼が左右にまとまって複数あることが確認できます。
80眼(80つ目)の動物
ホタテガイ
photo credit:ホタテガイ Mizuhopecten yessoensis by harumkoh
ホタテ貝には、眼点という眼に似た器官がおよそ80個あります。(画像の黒い点)
おまけ
最後に、8つ目であることがハッキリと分かる『ハエトリグモ』の動画を紹介します。Σ(゚Д゚)
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