エアコンを使わず夏を過ごす自分の部屋は、室温が40度を超えるなんてことは普通にあります。
そんな私の熱中症対策は、麦茶と梅干しの口にするという極めて古典的なものです。
テレビの天気予報などでは、熱中症対策としてこまめに水分をとることを推奨しますが、室温が40度にもなると汗の量も普通ではなく、1日最大5Lもの水分を摂取しないといけません。(にも関わらずおしっこはあまり出ない)
この際に水ばっかり飲んでいると、体のミネラル分が極端に薄まってしまいます。
そのためカリウムなどのミネラル分が豊富な麦茶と、塩分(塩化ナトリウム)やクエン酸が多く含まれる梅干しを食べて対策するのです。
麦茶と梅干しの組み合わせは熱中症対策にもってこいだと思うので、私のような過酷な環境でない人にもお勧めしたいと思います。
しかし、この麦茶と梅干しによる熱中症対策には1点だけ問題があります。
それは、
あなたが普段食べている梅干しって本当に梅干しですか?
という疑問です。
昔はどこの家庭でも以下のような容器に梅干しを入れ食卓の上に置いていたかと思います。
自分も子供の頃は、こういった容器に常に梅干しが入っていた気がするのですが、いつの頃からかこのような容器は食卓から消えていました。
現在、スーパーなどで売られている梅干しは、『調味梅干し』と呼ばれる塩分濃度が低いものが大半になっています。
本来の梅干しは塩分濃度が20%程度あり、その関係で腐りにくく賞味期限はほぼないため上記したような容器に何の考えもなく入れておける食品でした。
日本では、健康面を考慮し1970年代以降から断続的に塩分控えめが叫ばれるようになり、今ではなんでもかんでも“塩分控えめ”や“減塩”などという言葉が食品のパッケージに書かれるようになりました。
梅干しもこういった減塩ブームに漏れず、塩分濃度の低い調味梅干しのほうが主流となっています。
調味梅干しは塩漬けした梅干しを1度塩抜きするのですが、その際に旨味も失われるので調味料を使って味をごまかす必要があります。
その調味料に化学調味料が使われたり、塩分濃度が低い関係で短くなった保存期間を延ばすために合成保存料などが使われるケースが多々あるのです。
更に最近は、干してすらいない“梅漬け”も多く出回るようになりました。
これは梅干しと同じく日本を代表する漬物である『たくあん』にもみられる現象で、最近は干す作業を要さない大根の漬物である『べったら漬け』のほうが、たくあんより見かける機会が多くなったように感じます。
これは食糧事情の変化や冷蔵技術の発展に関係した“時代の流れ”とも言える現象なので、仕方ないかもしれません。
当然、熱中症対策として食べる梅干しが塩分控えでは意味がありません。
近年は塩分のとても低い調味梅干しが増えてきており、中には以下のような塩分0の梅干しまで誕生しています。
インターネットなどで梅干しのことを調べると、昔ながらの製法で作られたの本来の梅干しが過度に推奨され、調味梅干しが非常に悪く書かれる傾向があります。
確かに、そもそもの梅干しとは塩抜きをせずに塩分濃度が20%程度あるものですし、大半の調味梅干しに体に良いとは思えない化学調味料などが入っていることも事実です。
とは言え、梅干し単体で食べるなら、調味梅干しのほうが食べやすいと言えます。
ご飯のおかずにするのならいいですが、単体で食べるなら塩分20%はさすがにしょっぱすぎるのです。
なので、自分は熱中症対策として調味梅干しを食べています。
インターネットで探せば、化学調味料や合成保存料を使っていない良い調味梅干しが普通に見つかるので、調味梅干しのマイナス面を大きく感じることもありません。
上記の調味梅干しは、塩分8%なので熱中症対策にもなりますし、かと言ってしょっぱすぎもしません。
当然、化学調味料や合成保存料も使っていないので安心して食べることができます。
以上、自身の熱中症対策から見える、現在日本の梅干し事情について考えてみました。
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